1)群馬県立自然史博物館にて展示(2012年7月14日~9月2日)
 2)コニカミノルタプラザにて展示(2013年7月5日~7月23日)
 3)名古屋市科学館にて展示(2013年7月20日~9月1日)
 4)たまがわ深海大図鑑展にて展示(2014年4月23日~5月6日)
 5)川口市立科学館にて展示(2014年6月14日~7月13日)
 6)コニカミノルタプラザにて展示(2014年7月15日~8月10日)
 7)浜松科学館にて展示(2017年7月15日~8月27日)
 8)豊橋市自然史博物館にて展示(2019年7月12日~9月1日)




 Opisthoteuthis depressa
 Suruga Japan 34°56′N - 138°43′E 430m
 06 Feb. 2016






  メンダコ。(幼体)

  世界で初めて撮影されたメンダコ幼体の生体。

  採取深度:430m
  採取日:2016年2月6日




  動画にて遊泳動作が確認出来ます。






  イシサンゴ目センスガイ科の一種

  ヤギ類根の一部切片に付着しています。隣接の球形状
  もサンゴ類の一種です。この状態にて採取されました。
  乗船調査100回目にして初めて見ました。

  採取深度:480m
  採取日:2016年9月10日




  ヨコエソ科オニハダカ属の一種。(幼体)

  採取日:2016年12月18日
  採取深度:350m







  ワニグチツノザメ。(雌個体)

  体長:233mm / 47g
  採取日:2017年4月24日
  採取地点:34°53′N - 138°42′E
  採取深度:380m

  2個体目の採取。


  底引き網にてワニグチツノザメが採取される場合、通常、
  他のカラスザメ類と混在状態で船上の網の中です。口は
  閉じています。本種と他種の判別点は眼の色です。






  チョウチンアンコウ。(幼体)

  1個体目の採取。

  この個体サイズでの採取は国内では初めてと思います。

  採取日:2018年9月20日
  採取深度:480m





  夜光虫の発光。

  早朝、調査海域へ向かう船上より美しく光る夜光虫
  が観察出来ました。撮影開始時間は午前3時24分~。

  撮影日:2017年5月4日(駿河湾 戸田沖)




  駿河湾 御前崎沖(石花海)海域。

  岬の先端に御前埼灯台(おまえさきとうだい)が見えま
  す。明治7年初点灯、近代化産業遺産に指定されていま
  す。戸田港からこの海域まで約2時間30分かかります。

  撮影日:2019年12月1日







  深海潜水調査船支援母船「よこすか」

  後部格納庫内に有人潜水調査船「しんかい6500」、
  深海探査機「うらしま」等が搭載されています。
  隣接海域にて調査採集実施となりました。

  34°53′N - 138°41′E (駿河湾 戸田沖)

  撮影日:2019年2月17日




  駿河湾 大瀬崎沖海域での初調査実施。

  35°02′N - 138°48′E

  実施日:2020年2月8日

  戸田漁業協同組合とともに静浦漁業協同組合より
  の乗船調査(全面)協力により実現しました。
  北緯35度以北の駿河湾奥部、深海領域境界付近、
  深度200~460mの継続調査が可能となりま
  した。深海生物学術標本、標本ラベルの採取地表
  記は静浦沖「near Shizuura」とします。






  生体は沼津港深海水族館にて展示。

  良い展示となれば幸いです。是非、お越し下さい。

  ※上記、写真2枚は撮影許可を得ています。複写厳禁にて
  お願いいたします。




  「駿河湾 最北部海域静浦沖」

  右方向が沼津港、左方向が由比(ゆい)、正面は富士山。

  撮影日:2020年2月24日

  この写真の富士山、船の傾き構図どこかで見たような。。。↓
  偶然の構図類似ですが、何かとても不可思議。
  (冠雪面積も微妙に酷似)



  「富嶽三十六景 東海道江尻田子の浦略図」

  葛飾北斎も写真が撮影された位置から富士山を見た
  のでしょうか。江尻田子の浦略図とされますが江尻
  (清水区)、および田子の浦からの富士山はこのよう
  には見えません。この構図はかなり伊豆半島寄りで、
  しかも沿岸から離れた海域からのものです。江尻、田
  子の浦からは手前の愛鷹山塊に富士山は隠れること
  なく全景を描けるのになぜ北斎はこの位置にこだわっ
  たのでしょうか。普段見ることの難しいかなり沖からの
  富士山を描きたかったのかも知れません。愛鷹山塊
  からわずかに出る左端の裾野から北斎がどれほど沖
  まで出たかが視差的に証明出来ることも計算されてい
  たのでしょう。このため写真と見比べれば分かるよう
  に山頂から左裾野の曲率精度は極めて良く、更に右
  端の裾野から左端の裾野を直線で結ぶ傾斜8度は
  誤差±1度以内であることが解析出来ます。これを揺
  れる船上で写し描くことは神業で、困難を極めたもの
  と思います。同時代に精密な沿岸測量にて日本地図
  を描いた伊能忠敬を意識したのかも知れません。
  漁や浜の様子は沿岸海域から、富士山はかなり沖か
  らの合成手法で描かれています。上写真の位置で浜
  から5km(北緯35度04分、東経138度48分)
  深度約300mです。手漕ぎの船でこれほど沖まで来
  るには相当な覚悟と漁民の協力が必要です。描かれ
  ている漁は2艘の船で網を曳く底引き網漁ではと思い
  ます。当時の駿河湾での漁手法を知る上でも極めて
  貴重な民俗学的資料です。北斎が富嶽三十六景を描い
  た為一への画号変更が文政3年(1820年)ですか
  ら写真が撮影された2020年はちょうど200年目
  の年となります。北斎が推したのかも知れません。
  山頂に雪のある季節、天候は不安定で沖まで出られる
  凪の日はごくわずかです。初版、富嶽三十六景の36
  番図、北斎は根気強く浜で晴天を待ったのでしょう。

  記載日:2020年2月29日




  「凪のふゆつき」

  200回目の乗船調査。(駿河湾 土肥沖)

  実施日:2020年12月27日




  御前崎の先端部、蜃気楼現象での浮き上がりが戸田
  沖より確認出来ました。(午前6時18分撮影)
  静岡市の午前6時の気温は8.1℃、海面水温は
  22.2℃、あわしまマリンパーク観測点(沼津市)
  でした。

  撮影日:2022年10月26日




  松崎沖から望む神津島。

  松崎沖からは南東に約60km。伊豆諸島の一つで
  東京都神津島村。
  (都心からの交通)
  大型客船:竹芝埠頭から9時間55分
  飛行機:調布飛行場から45分

  撮影日:2023年10月30日




  乗船調査実施しました。(駿河湾 松崎沖)

  実施日:2024年3月24日

  深海生物学術標本製品は、田崎義勝によ
  る個人作品となります。個人の研究用と
  して制作しているもので採集生物数もわ
  ずかなため個別のご注文、制作はお受け
  出来ません。

  深海生物学術標本(SSサイズ)につき
  ましては鳥羽水族館オンラインショップ
  にて深海生物標本として販売いたしてい
  ます。
是非、ご覧下さい。
  ↓
  

  

  深海生物学術標本製品 / SSサイズ
  カタホウネンエソ個体標本
  (付属スタンド付き)




  地球深部探査船「ちきゅう」(海上試験中)

  隣接海域にて調査採集実施となりました。
  34°55′ N - 138°42′ E


  駿河トラフのほぼ中央地点。手前がフィリピン海プレート側、
  探査船はユーラシアプレート側に位置します。


  撮影日:2016年1月23日





  キヌアミカイメンの一種。(不明種)

  2012年、ニュージーランド沖、深度950mよ
  り採取された新種と酷似します。国内の既知種と比
  較すると極めて繊細で軟質、紙のように曲げること
  が出来ます。国内では学会未報告と思われます。こ
  の骨格成分は二酸化ケイ素(高純度ガラス繊維)、
  現在の科学技術でも低温下で同様物質を精製するこ
  とは不可能です。1例目の採取となります。

  34°55′ N - 138°42′ E
  採取深度:450m

  採取日:2016年1月23日





  四角形格子構造。(拡大写真)

  極めて繊細で強度は見込めない構造のように見えま
  すが、三次元的に筒状を組み合わせた形態を形成す
  るため全体としては十分な強度を得ているものと思
  います。
極細く、ラインを縦横方向で一定にするこ
  とにより建築速度を優先したのかも知れません。



  キヌアミカイメン / Farrea occa Bowerbank, 1862

  日本付近の深海領域にて採取記録がある既知種。
  硬質のため曲げることは不可能です。

  34°58′ N - 138°44′ E
  採取深度:350m

  採取日:2016年4月27日




  自然界のハニカム構造。(拡大写真)

  正六角形とはなりませんが、このゆらぎが曲面成長
  には不可欠なのかも知れません。幾何学的法則性が
  あるように思います。六角形の充填構造体に一定割
  合で五角形と接する七角形の組み合わせを配置する
  構造は一見、手抜きのように見えますが建築速度、
  材料軽減、強度から最も安定したハニカム的構造体
  なのかも知れません。計算上、正五角形、正六角形、
  正七角形の組み合わせは、充填構造とはなりません
  から中心円の変形により各角度が配分されています。

  記載日:2016年7月27日



  新種のキヌアミカイメン発見!。。。ではありません。

  トヨタ車(ライトエース ノア)フロント部分に採用
  されているハニカム構造体。極めて形状が酷似して
  います。
注目頂きたいのは円形の大きさと構成する
  材料比率。構造厚もほぼ同様比。材料コストと強度
  を極限まで追求するとこのようになるのでしょうか。
  コンビニ駐車場で止まっている車のフロントをまじ
  まじと観察、撮影は完全に不審者です。




  ハオリムシ類でしょうか。中央の突起部は蓋の役割
  をします。
採取直後に殻から抜き出し撮影。 

  採取日:2015年3月22日





  採取深度:480m
  採取日:2015年11月5日





  中央の突起部先端が透明球状となる種。

  採取深度:460m
  採取日:2017年5月9日





  中央に黒色の球状突起部が確認出来ます。
  球状は硬質です。棲管がツノガイ類と極めて
  酷似しています。このツノガイ形状、殻口が
  壺状。しかも均等につぼまります。ツノガイ
  類ではあまり見ない形状にも思います。

  採取深度:320m
  採取日:2016年10月4日




  セトモノツノガイの軟体部。

  上記の種とツノガイ類は軟体部形状に明らかな
  違いが見られます。





  中央に突起部は確認出来ません。棲管表面は
  滑らかで光沢があります。

  採取深度:320m
  採取日:2016年10月4日







  ハオリムシ? ~ その1 ~

  採取直後に殻から抜き出し撮影。

  同時に2個体の採集でしたが強風、高波のため収納
  容器が船上、船外に散乱、1個体は不明となりまし
  た。

  採取深度:380m
  採取日:2016年10月10日





  ハオリムシ? ~ その2 ~

  棲管と軟体部が一体となっている種。棲管には堆積物
  (砂れき等)を付着させています。

  採取日:2016年2月18日

  研究機関より、「国立科学博物館に詳細不明として
  保管されている個体標本と同種ではないか。」との
  見解を頂きました。2017年6月27日




  中央突起部先端が透明球状となる種。

  体色が黄色で採取時にわずかな動作を確認しました。
  先端球状は本体部と糸状でつながります。

  採取深度:460m
  採取日:2017年10月9日





  中央突起部先端が棒状に肥大する種。

  上記に棲管が酷似した種を掲載していますが、この
  種の棲管の方が太く、列状の突起が顕著となります。

  採取深度:460m
  採取日:2017年10月9日




  上記、2017年10月9日に採取した種と棲管は酷
  似したものでした。中央突起部先端の形状に違いが見
  られ別種と考えます。

  採取深度:460m
  採取日:2017年11月7日





  中央突起部先端が硬質球状に肥大する種。

  棲管が3本ありますが中央の1本より採取。両側2本
  は空殻でした。

  採取深度:460m
  採取日:2017年11月7日





  ハオリムシ類?のものと思われる棲管(1)。(空殻)

  サツマハオリムシとは別種と思います。軟体部を含む
  生体での採取が期待されるものです。

  「スルガハオリムシ」(仮称)

  採取深度:460m
  採取日:2018年4月17日


 

  ハオリムシ類?のものと思われる棲管(2)。(空殻)

  サツマハオリムシ、または近縁種のものと思います。
  駿河湾(伊豆半島西岸海域)に生息することを示唆
  するものです。

  採取深度:380m
  採取日:2019年5月5日


  ※上記のハオリムシ類?として掲載しました生物種に
  つきましては分類上の慎重な検討が必要と考えます。
  形態的にはカンザシゴカイ科にも近似種が存在します。


  - 海底熱水噴出孔に生息する生物類について -

  「既存生物集合説」(仮称)

  海底熱水噴出孔の寿命は100年程度とされているよう
  です。熱水域固有種は存在するのでしょうか。様々な仮
  説がありますが、熱水域は特定生物の生存に適してい
  る場所ではありますが、生命を維持するために不可欠
  なものではないと考えます。熱水域に出現する生物種
  が熱水のない周辺海域に生息していてもその生息密度
  が希薄なため発見出来ないのでしょう。鯨骨生物群集も
  同様と考えます。
どこから生物が来るのかの論争は観察
  精度の問題のように思います。広大な海底で熱水噴出
  孔のような場所は極めて少なく、特殊な環境のように見
  えます。しかし、それは観察者である人類の感覚的な時
  間スケールが短いことによる主観と思います。生命が誕
  生して、これまでに熱水噴出孔は無数に存在し海底生物
  類は進化の過程で幾度となく熱水状態に直面しています。
  生物類としては極限環境との認識はなく、”待っていまし
  た”の認識でしょう。自然選択においてはそのような環境
  も含め生存に有利となる変異を遂げた種が世代を受け
  継ぐこととなります。通常は熱水のない状態で生活して
  いるが、熱水出現時には生活形態を変異させるよう遺
  伝子レベルでプログラミングされているのでしょう。
  生物圏内において極限環境か極限環境ではないのか、
  どこに線を引くかは専門家にお任せいたします。
  陸生植物の観察では、火災感受性植物種が知られま
  す。オーストラリア原産の植物、バンクシアやバンクス
  マツは山火事が種子発芽を誘発することは興味深い
  ことです。

  ”熱水が止まった!”

   「はい、解散~」

  生物は極めて柔軟に対応すると思います。

  記載日:2016年6月6日


  「底生生物プレート移動説」(仮称)

  上記、ハオリムシと思われる生物類の採集はすべて
  伊豆半島沖のフィリピン海プレート上となります。駿河
  湾西側(ユーラシアプレート上)とのこのような生物相
  の比較をすると違いがあるように思います。以前に石
  花海(せのうみ)海域にて調査実施しましたが、このよ
  うな生物類の採集はなかったように思います。この点
  は正確な比較が必要と思います。フィリピン海プレート
  は年に約4cm北西方向へ移動しています。これら底
  生生物類の中にはプレートに乗って南方より来たもの
  がかなり含まれるのではと思います。また、年4cmの
  移動は微細な生物スケールとしては生活環境の変化
  が激しく、生物進化速度、多様性が必然的に要求され
  るものと思います。
  現在、生物地理学では陸地について境界線を論じて
  いますが、駿河湾には2つのプレートを境界とした海
  底の生物分布境界線が存在すると思います。

  記載日:2017年11月11日





  環形動物門の一種。

  このビニールチューブのような棲管はヤギ類の茎内部組
  織の一部と酷似します。この生物種は朽ちたヤギ類の一
  部を棲管として利用しているようです。



  ヤギ類の根から露出したビニールチューブ状組織。
  (チューブとは関連ありませんが枝にはクモヒトデが付着)




  この棲管、針先端部2箇所の位置に隔壁があり気密性
  の高い構造となっています。このため中の液体が漏れ
  ずに保たれています。この生物は外出時はどうするの
  か、捕食に不便はないのか、呼吸は、排泄は。。。等
  々余計な心配をいたしてしまいます。どのような生活
  史を持つのでしょうか。



  (拡大写真)

  採取深度:380m
  採取日:2016年9月15日







  フサゴカイ科の一種。(沈木内に生息)

  口触手を沈木表面より伸ばしています。(写真上)

  採取深度:430m
  採取日:2016年9月29日





  採取日:2015年11月16日




  ソコダラ科の一種。(不明種)

  イトダラに酷似する2個体、同一種と思われます。
  臀鰭中間基部に黒斑、腹鰭条数13軟条あります。
  イトダラを含む近似種5種の腹鰭条数は8~12軟
  条。

  採取日:2016年2月25日




  カタホウネンエソ。

  同定書の規定では上下個体ともカタホウネンエソとなり
  ますが、何かが違うような気がしてなりません。
駿河湾
  には体型比較としてこの2タイプが存在します。但し、
  採集個体比率は上個体の方が圧倒的に少ないです。これ
  が絶対的個体数の違いによるものか、棲み分けが同種内
  にて起きていることによるものかは不明です。

  採取深度:460m
  採取日:2016年4月24日




  カタホウネンエソ。(幼魚)




  トガリムネエソ。(幼魚)

  採取深度:420m
  採取日:2017年12月7日




  ギンハダカ(上) リュウグウハダカ(下)

  同定書の規定では頭部の大きさ(体長比率でギンハダカ
  4倍、リュウグウハダカ5倍)、第1鰓弓の鰓耙数、ギ
  ンハダカ16本、リュウグウハダカ18本にて区別され
  ます。

  採取深度:450m
  採取日:2016年3月13日







  フウリュウウオ(左) ワヌケフウリュウウオ(右)

  同定書の規定では前鰓蓋骨には顕著な前向棘があるか
  により区別されます。2種混在して生息します。


  採取深度:380m
  採取日:2017年1月18日





  サギフエ(上) ダイコクサギフエ(下)

  同定書の規定では第1背鰭の第2棘先端が第2背鰭
  基底後端を越えるかにより区別されます。第1棘は極
  微細です。駿河湾では混在して生息します。
この2種
  を見るたびに種の分岐とは何かと考えます。2種を分
  岐させた要因はどのようなものだったのでしょうか。種
  の中で本能行動を決定付ける遺伝子に変異を持つ個
  体が生じ遺伝的に受け継がれた場合、本能行動の異
  なるグループが存在することとなります。行動の違いか
  ら混在生息環境においても形態的差異が生じるように
  思います。自然環境に適応したグループが自然選択
  され種の起源となるのではないでしょうか。結果的に
  は自然側に選択されたように見えますが本能行動を変
  異させることにより生物側が自然(環境)選択している
  ように思います。”一寸の虫にも五分の魂”生物は自
  然選択を待つだけではなく積極的に自然を選択して
  いるのでしょうか。自然逆選択。暗黒を好む本能行
  動を持つグループとなれば暗黒へ移行し形態変異は
  後に生じて来るのでしょう。京都大学の暗黒バエのよ
  うに。何の準備もなく突然の暗黒という自然環境変化
  に絶滅、自然淘汰されないのは不思議でとても興味
  深いことに思います。行動の違いを伴う2タイプ形態
  暗黒バエの出現を期待します。ヒトの分岐点とチン
  パンジー、ピグミーチンパンジーの分岐点の時間差
  は254万年とされていますから暗黒バエをチンパン
  ジー、ピグミーチンパンジー分岐前の平均個体数飼
  育すれば確率的に5079年に1回、種の分岐が起き
  ることとなります。ヒトとハエ、比較はバックグラウ
  ンドの評価によります。

  ヒトがサルから分岐したのもこのようなことのように思
  います。

   ”もうおサルさんとはお付き合い出来ません!”
    。。。(形態的差異はないが生理的に無理)

  現生ヒト属が1種なのは知性が本能を卓越したため
  でしょうか。

  ※進化論を否定するものではありません。

  「本能行動進化説」(仮称)

  記載日:2016年4月28日


 第1棘形状。

  採取深度:460m
  採取日:2016年4月24日





  サギフエ。(頭部変形個体)

  先天的な要因によるものと思います。これまでにこの
  ような個体の採取はありません。体長から成体とみら
  れ生殖能力があればこの形質に影響する遺伝情報が世
  代を越えることとなります。


  採取深度:420m
  採取日:2016年10月16日




  表側



  裏側



  頭部拡大(裏側)

  ザラガレイ。(眼裏側個体)

  先天的な要因によるものと思います。これまでにこの
  ような個体の採取はありません。眼が裏側に位置する
  個体で表側の頭部は色素がありません。底生にて捕食
  物を見つけるのに不自由はなかったのでしょうか。成
  体とみられます。他個体と比較して淘汰圧の影響を受
  ける確率は極めて高いと思われます。

  採取深度:460m
  採取日:2019年4月20日


 

  環形動物門の一種。

  ゴカイ類近似種と思われます。頭部は退化的で眼、
  触角等は確認出来ません。出現初期の形態を持つ
  原始的な種でしょうか。この分類群には膨大な未
  記載種が存在するとされています。

  採取深度:380m
  採取日:2015年12月6日



 

  環形動物門の一種。

  頭部に1本の角状を持つ種。精査しましたが頭部に
  眼、触角等は確認出来ません。採取直後には前進運
  動を確認しています。疣足(いぼあし)と言われる
  歩行器官が側面に整然と並びます。頭部付近では繊
  毛のように繊細ですが後部へ行くにしたがい太く本
  数も少なくなります。

  採取深度:320m
  採取日:2016年11月13日





  環形動物門の一種。

  沈木付着にて採取された極微細な種。

  採取深度:430m
  採取日:2016年12月7日





  ギンエビス(左) 二重突起列ギンエビス個体(右)

  左個体は通常採取されるギンエビス、右個体は1個体
  目の採取となります。変異個体でしょうか。それとも未
  知種でしょうか。(イガギンエビス、アラレギンエビスで
  はありません。)駿河湾には突起列形態よりギンエビス、
  フクレギンエビス、ヒラセギンエビスが生息するとされて
  います。形態的区別は突起列の発達状態によります。
  二重突起列ギンエビスが変異個体であれば個体差が
  種の形態的区別を超える可能性を示唆するものと考え
  ます。逆説的にはフクレギンエビス、ヒラセギンエビス
  は種として存在するものなのでしょうか。個体差の連続
  体延長上に変異個体が存在するのでしょう。しかし、変
  異個体としての認識は観察者の主観であり、線引きは
  困難となります。種の分岐点を点として認識するには時
  間を積分的(マクロ)にとらえた場合で統計的なゆらぎ
  のある集合体のように見えます。微分的な概念は無意
  味と思います。形態個体差があるように本能行動が同
  種内の個体すべて均一は不自然であり、すべての個
  体ごとに本能個体差があるのでしょう。種の中で形態
  的差異はないのに本能行動の異なる個体群が観察さ
  れにくいのは自然選択が短時間によるためと思います。
  形態変異が短時間に生じ種の分岐となるか、(暗黒バ
  エは60年で変異。)または自然淘汰されてしまうか。
  観察者は形態の違いが生じて初めて種の存在を認識し
  ます。結果論的に種の分岐は存在しますが形態変異の
  前にそれを誘発する法則性が隠れているように思いま
  す。本能個体差、あるいは生理機能個体差など多重的
  に存在していても観察者がそれを認識することは困難
  と思います。昆虫類となりますがハチ、アリ(社会性昆
  虫)集団の観察は良いと思います。個体ごとはもとより、
  生殖虫が限定されているため集団ごとに差異が生じて
  いると思います。
  自然は数列のように矛盾なく存在します。生物学では
  この概念は整合性が悪いように思われる方もいられる
  ようですが、それは実験、観察による証明が難しいこと
  に起因するのでしょう。隠れた変数が1つでもあれば整
  合性を欠くこととなります。自然科学において再現性は
  絶対条件であり、どのような心情があろうともこの逸脱
  は許されるものではありません。
  自然はどうあるべきか。そのすべては観察者の精度に
  よります。自然の振る舞いのすべては科学的手法によ
  り理解可能です。
  ”神はサイコロを振らない”と偉大な物理学者が言われ
  たように凛として自然は存在するのでしょう。


  (追記)
  未記載種であれば”フタエギンエビス”(仮称)としたい。


  採取深度:420m
  採取日:2016年4月16日

  専門機関より、「突起列以外はギンエビスの特徴の
  ため 変異型の可能性がある。種はギンエビスで良
  いのではないでしょうか。但し詳細は実物を見なけ
  れば分からない。」との写真判定での見解を頂きま
  した。



  もう1つ採取しました。”フタエギンエビス”

  採取深度:430m
  採取日:2016年5月15日



  石花海海域にて採取された個体。

  ギンエビス類は通常、複数個まとまって採集されます
  が、この日はこの1個体のみの採取でした。これは二
  重突起列ギンエビスの棲み分けを示唆するものです。

  採取深度:360m
  採取日:2019年11月6日



  ヒラセギンエビス。

  これまでの調査にて殻頂まで突起列がある個体採取は
  この1個体のみ。

  採取深度:460m
  採取日:2016年4月24日



  ギンエビス?、フクレギンエビス?

  ギンエビスに見られる突起列が成長途中で消失して
  います。ギンエビスとして成長して来たが、ある日
  を境にフクレギンエビスへ変化したかのようです。
  突起列の状態は遺伝的形質に加え環境や生理機能に
  左右されるのではないでしょうか。

  採取深度:420m
  採取日:2016年10月16日




  炭化した小枝とドングリ。(ブナ科マテバシイ)

  本州南部沿岸地に自生するマテバシイと思います。
  深海領域では生物分解速度が遅いため炭化状態にて
  長期にわたり存在します。このまま堆積物中に埋没
  し条件を満たせば石化すると思います。

  採取深度:420m
  採取日:2016年4月16日





 

  石炭化した樹木片(1)

  完全に石炭状態です。軟質な石炭ですが、ごく一部は
  硬質で白色の珪化木状態となっています。数年分の年
  輪が確認出来ます。表面に極微細なカサガイ類が付着
  していることから海底上にあったことが推測出来ます。
  この状態となるには数百万~数千万年程度の時間経
  過が必要と思われます。駿河湾、および周辺地域では
  これまでに石炭産出の記録はないようで、どのような
  生成過程を経たものか興味深いものです。伊豆半島の
  形成時期、定説は60万年前程度とされています。こ
  の石炭は伊豆半島とは関連のない生成過程を経たもの
  と思います。

  「深海領域産出 第1号陸生生物化石」。。。世界初

  および、
  「フィリピン海プレート産出 第1号陸生生物化石」

  ”伊豆の石炭”。。。
  この発見は地質学的に極めて意味のあることです。

  重量:48g
  採取地点:34°55′N - 138°43′E
  採取深度:350m
  採取日:2016年12月18日





  石炭化した樹木片(2)

  重量:3g
  採取地点:34°51′N - 138°41′E
  採取深度:460m
  採取日:2017年5月9日





  石炭化した樹木片(3)

  重量:8g
  採取地点:34°53′N - 138°42′E
  採取深度:430m
  採取日:2017年9月9日





  石炭化した樹木片(4)

  重量:168g
  採取地点:34°53′N - 138°42′E
  採取深度:430m
  採取日:2017年9月9日





  石炭化した樹木片(5)

  重量:3g
  採取地点:34°54′N - 138°43′E
  採取深度:380m
  採取日:2017年9月10日





  石炭化した樹木片(6)

  上記(1)~(4)の石炭は年輪があり軟質(低密度)、
  (5)、(6)は石のように硬質(高密度)で表面に光沢
  があります。年輪は確認出来ません。かなり古い年代
  のものと思います。産出する石炭はこの2タイプです。
  樹木としての形状が明瞭で年輪が確認出来る(1)~
  (4)軟質タイプのような石炭は他の地域での産出は
  少ないように思います。いずれの石炭も角部分は鋭角
  に切断されています。地中において極めて高圧のひずみ
  (せん断応力)が加わったものと考えます。

  重量:23g
  採取地点:34°54′N - 138°43′E
  採取深度:380m
  採取日:2017年9月10日





  石炭化した樹木片(7)

  軟質タイプの石炭です。この石炭は角部分が丸みを帯び
  ています。このような丸み形状石炭は初めての採取です。
  これは陸上で堆積、石炭化した後に一時期、河川、海岸
  に存在し流水による侵食を受けたことによると考えます。
  このことから駿河湾深海底より産出される石炭は海底の
  沈木が石炭化したのではなく、陸部にて石炭となった後
  に海底へ堆積したものであると推測されます。

  重量:3g
  採取地点:34°55′N - 138°42′E
  採取深度:460m
  採取日:2018年2月27日





  石炭化した樹木片(8)

  樹木の形状が保存されている石炭です。横割り方向
  に鋭く切断されています。この石炭は年輪が確認出
  来ません。

  採取地点:34°52′N - 138°42′E
  採取深度:480m
  採取日:2018年3月13日


(表)

(裏)

(上部)

  石炭化した樹木片(9)

  縦割りで樹木形態が大変良く保存されています。樹
  皮、および内部組織が明瞭に確認出来ます。内部
  中心に1本太い維管束のような組織体があります。
  年輪はなく、かわりに放射状の成長痕が確認出来ま
  す。

  採取地点:34°56′N - 138°42′E
  採取深度:380m
  採取日:2018年9月12日




  石炭化した樹木片(10)

  横割り方向に切断されたものです。右の中心部方向
  から放射状に伸びる成長痕(組織体)が明瞭に確認
  出来ます。年輪はありません。硬質な石炭で、かな
  り古い年代のものと考えます。。。恐竜時代

  採取地点:34°53′N - 138°42′E
  採取深度:460m
  採取日:2018年9月16日




  石炭化した樹木片(11)

  表面に樹皮はなく、微細な孔が多数あいています。
  孔は内部の維管束に通じています。年輪はありま
  せん。普段見る樹木の構造とはかなり違います。
  この構造は高温多湿で湿地のような環境に適応し
  たものと思います。

  採取地点:34°51′N - 138°41′E
  採取深度:480m
  採取日:2018年10月3日






  石炭化した樹木片(12)

  硬質な石炭です。横割り断面は網状で年輪はあり
  ません。右端が表皮側となりわずかに樹皮が保存
  されています。但し、網状については生育時のも
  のではなく石炭となる変性過程で形成された可能
  性もあると考えます。

  採取地点:34°53′N - 138°41′E
  採取深度:460m
  採取日:2019年5月9日






  石炭化した樹木片(13)

  縦割りで中心部は組織が希薄です。表皮、枝の痕跡
  および年輪もありません。どのような成長過程を経た
  のでしょうか。このような構造の木本植物類は現存す
  るでしょうか。木本のような草本でしょうか。不思議
  です。

  採取地点:34°53′N - 138°41′E
  採取深度:420m
  採取日:2020年10月31日




  石炭化した樹木片(14)

  横割りで年輪が明瞭に確認出来ます。この年輪幅は
  約1cmで樹木としてはかなり成長速度が速いもので
  す。しかし、年輪と年輪の境界部は線状でこの期間は
  成長が止まっていることが分かります。暖候期と寒候
  期による年輪と比較すると成長差が極端であり雨期と
  乾期による年輪ではないかと思います。

  採取地点:34°56′N - 138°43′E
  採取深度:360m
  採取日:2020年12月22日




  石炭化した樹木片(15)

  伊豆半島南端に近い松崎沖にて採集された石炭
  です。高密度で無煙炭に分類される石炭です。無
  煙炭は古生代から中生代の植物由来とされます。
  採集地点が松崎沖でもあり伊豆半島とは関連の
  ない生成過程を経たものと思います。この石炭と
  なった植物類はどこに生育したのでしょうか。

  採取地点:34°44′N - 138°40′E
  採取深度:460m
  採取日:2019年1月14日




  石炭化した樹木片(16)

  御前崎沖(石花海海域)にて採集された石炭です。
  上記(15)とほぼ同様のものです。ユーラシアプ
  レート先端部の付加体堆積物に石炭が含まれること
  が明らかとなりました。この石炭となった植物類は
  どこに生育したのでしょうか。

  採取地点:34°38′N - 138°22′E
  採取深度:360m
  採取日:2019年11月6日








  石化した樹木片(1)

  完全に石化した樹木片です。樹皮はなく年輪も
  不明瞭です。幹は扁平で深く切れ込み中心から
  外側へ成長痕が確認出来ます。。。何属??
  世界的にも深海領域から採取された初めての石
  化した樹木と思います。採取地点は松崎沖のフ
  ィリピン海プレート上となります。この採取物
  はこの付近の地下に下記で示すようなピッチン
  グ、または押し側が上部へずれる逆断層が存在
  することを示唆するものです。

  採取地点:34°46′N - 138°42′E
  採取深度:380m
  採取日:2022年11月9日






  石化した樹木片(2)

  船上へ揚げる際に2個に分裂したものです。中心
  部は空洞で年輪と思われる成長痕が扇状に外側へ
  広がります。上記の樹木片同様、海洋生物による
  食痕等はありません。また、上写真の左端に泥質
  堆積物が石化して表面に付着していますが鋭角な
  切断面表面にも同様に付着しています。これらの
  ことはこの樹木片が石化した後、海底に露出した
  ことを示唆するものです。(伊豆の山からの流木
  が沈んで石になったものではない。)

  採取地点:34°44′N - 138°40′E
  採取深度:380m
  採取日:2023年12月10日


(表)

(裏)

  石化種子(1)

  ソテツの実(果皮付き)

  硬質で完全に石です。
  「スルガナッツNo.1」(仮称)

  重量:4g
  採取地点:34°51′N - 138°41′E
  採取深度:460m
  採取日:2017年5月9日


  日本列島形成以前、イザナギプレートまたは、
  フィリピン海プレート側に陸地が存在したこと
  を示唆するもの。これが実際であれば日本列島
  形成はユーラシアプレートからの分離体のみで
  なく、南方よりのかなり古い時代に形成された
  陸地由来付加地塊が存在したものと考えます。
  「イザナギ地塊」(仮称)

  また、このような化石が生成された経緯を考え
  ると孤島や火山島ではなく、長期的に堆積可能
  なある程度大きな安定大地が存在したのでは
  とも思います。化石採集地点がフィリピン海プ
  レート側であることは、パンゲア大陸由来でない
  と考えられ、他の大陸が存在した可能性を排除
  出来ないものと思います。未知の大陸でしょうか。
  上記が実際であれば、このソテツの実の化石は
  パンゲア大陸以外から産出した世界で初めての
  陸生生物化石となります。実の大きさは現生種と
  比較するとやや小さいもので小型の近似種のよ
  うにも思います。

  現在、定説として古世界地図は1大陸で描かれて
  います。それとは別に小型のソテツ種が茂る東方
  洋上に存在する未知の大地(新大陸)。
  。。。上陸、第一歩を記す。
  新大陸、東回りで発見!!(日本の旗立てました)
  裸子植物であるソテツ種が茂ることは、その実を
  捕食する草食動物類が生息することを意味します。
  。。。いました。やや小型ですが草食恐竜。
  しかも固有種、新種です。。。
  地図に描かれることのない遠いユートピアなのかも
  知れません。
  「イザナギ大陸」(仮称)
  ※一部個人的なイメージを含みます。

  しかし、駿河湾東部海底にそのような古い年代
  の地質は存在しません。更に泥質海底表面に
  石炭は露出しています。岩石採集はほとんどあ
  りません。なぜでしょうか。
  これは石炭の比重が小さいことによるものと推測
  します。プレートの沈み込みにより比重の大きい
  岩石である地塊は地球内部へ消滅します。石炭
  は岩石、および泥質成分と比べ比重が小さいた
  めプレート境界付近に滞留、地震の揺れにより
  泥質海底表面へ浮き上がり露出することによる
  と結論します。

  上記にて滞留と表現した箇所について、プレート
  境界付近では上部堆積物が均一にユーラシア
  プレートへ沈み込めず、ロール状の横軸回転運
  動をしていると考えます。湾の奥ほどプレート境界
  上の海底地形が鋭角ではなくなることからも堆積
  物滞留を理解することが出来ます。また、伊豆半
  島が沈み込むことが出来ないことも滞留となるか
  と思います。このためかなり古い年代の化石も含
  め様々な化石が混在して採集されるのではない
  でしょうか。化石に母岩が付随していないこと、お
  よび古い化石(石炭)ほど小さく砕けていることは、
  このことによるものと思います。
  上部堆積物にてこのような現象が実際であれば
  フィリピン海プレート内部についても単に沈み込
  むのでなく、ユーラシアプレートとの接地面付近
  では摩擦力によるピッチング(回転)をしているよ
  うに思います。接地面の摩擦係数、岩盤硬度の
  違いからこのような箇所が複数存在するように
  思います。その箇所が短時間に破壊となれば地
  震動が生じることとなります。2011年8月1日、
  静岡市で震度5弱を観測したフィリピン海プレート
  内を震源とする駿河湾南部の地震はこのような
  メカニズムの可能性もあるのではと個人的な見
  解として記述します。これ以降の論理展開につき
  ましては、地域防災上の観点から記述は控えた
  いと思います。
  「ピッチング型地震」(仮称)

  記載日:2017年9月12日


  ソテツの実とすれば、大海の深海底からこの一
  粒を探し出すことは極めて困難で不思議と思
  います。乗船調査131回目のこと。私が以降、
  生涯努力しても再度の採取は皆無と考えます。
  ”奇跡の一粒”。。。そのように思います。

  ※現在、厳重に保管しています。研究機関より
  精査要望がなされた場合は、全面的な協力とし
  速やかに直接お持ちいたします。損傷ない範囲
  での精査、および立ち合いとします。輸送業者
  利用、貸出しはいたしません。機関名は公開す
  る場合があります。精査結果は書面にて記述
  下さい。それと。。。旅費1人分ご負担願います。


  大陸移動説として描かれる地球はどれを見ても
  表側にパンゲア大陸1つが描かれています。
  それでは、2億年前の地球の裏側はどのような
  ものだったのでしょうか。本当に大陸は1つで
  裏側は海だけが広がる世界だったのでしょうか。
  地球の裏側にはどのような生物類が生息したの
  でしょうか。駿河湾深海底の探究は太古の地球
  の裏側を探究するに等しいと考えています。


  太平洋プレート西端には弧状に約1億8千万年
  前に形成された地殻が存在します。上部堆積物、
  特に比重が小さいものはプレート境界で滞留、
  付加体としてフィリピン海プレート側へ移動してい
  ると推測します。下記で掲載する古い年代と思
  われる海洋生物類の化石が産出するのはこの
  ためと思います。
  「太平洋プレート付加体化石」(仮称)

  記載日:2018年10月13日


(上部)

(下部)

  石化種子(2)

  再度一粒見つけました。一見すると最近出来たば
  かりのドングリかクルミのようです。しかし、完全に
  石です。しかも炭化した形跡が見られません。珪化
  木とされる状態のような質感です。上部は欠けてお
  り内部は空洞です。何の種子でしょうか。
  私は上記No.1が最初で最後の採取、一粒と考
  えていました。再度の採取、そして、これほど早く
  石化果実2個目となるとは思いませんでした。
  とても不思議な気がします。
  「スルガナッツNo.2」(仮称)

  重量:8g
  採取地点:34°53′N - 138°42′E
  採取深度:460m
  採取日:2017年10月9日




  石化種子の内部面より採取された軟組織。

  上部に開いた穴より針状器具にて内部の状態を
  調査したところ植物組織片らしいものが出てきま
  した。中央の大きな穴の上に隣接した小さな穴の
  方(直径約2mm)からです。採取時、種子内部は
  泥質堆積物で満たされていました。堆積物を取り
  除いた後、内部も石化しているのかを確認するた
  め針状器具を入れました。内部面も硬質で石質
  の感覚です。しかし、一部、ごくわずかに軟質であ
  る指先での感覚があり、炭化状となっているのか
  と思い慎重に取り出してみました。最初に白い軟
  質で脂肪のようなものが少量出てきました。保存
  は液状で難しいものでした。私は中に入り込んで
  いた環形動物(ゴカイ類)の死骸ではないかと、そ
  の時には考えました。実の採取時から有機質の
  臭いがあります。原因はこれではとも思いました。
  更に採取を続けたところ、上写真の組織片が出
  てきました。まだ内部に同様の組織片が残されて
  いる可能性があるため、その時点で調査をやめ
  液浸透標本にて種子、組織片を保存としました。
  (ホルマリンは使用していません。)
  内部は隔壁で仕切られているようです。組織片は
  ごく薄いもので柔軟性があり、維管束と思われる
  筋状が明瞭に確認出来ます。通常(陸地)であれ
  ば数日で生物分解するものと思います。大変な
  疑問であり実際にこの種子は石であるかまで遡
  り検証が必要と認識します。もし石であればこの
  組織片の年代測定結果はいかなるものとなるの
  でしょうか。タイムカプセルで遠い時代から手紙
  が届いたかのようです。この組織片も化石であり、
  駿河湾深海領域特有の化石形質と思います。
  早急な専門機関による外部検証を望みます。
  こうなると最初に見つけたスルガナッツNo.1の
  中身はどのようになっているのか。大変気になり、
  トンカチで粉々に割りたい衝動にかられましたが、
  。。。やめました。

  上記、記述についての掲載は内心、かなり躊躇し
  記述前に再度、何度も硬い実を針状器具にて突
  きました。やはり実は硬く傷は微塵もつきません。
  実が珪化木状態とすれば数百万~数千万年ほど
  の生成時間が必要かと思います。鉱物置換化石
  となった種子内に軟組織が生体時そのままに柔
  軟性を持ち保存されたものは前例がなく、腐敗が
  ない状態から推測すると一度も大気(空気)に触
  れることなく、鉱物置換、乾燥、凍結もなく組織保
  存されたものと思います。このような化石形質の
  発見、および剥離採取に成功したことは世界で初
  めてです。生成初期の段階で内部が酵母等により
  発酵、エタノール(果実酒)で満たされ腐敗をまぬ
  がれたのかも知れません。上部の穴は縁辺が鋭
  角に割れていることから石質となった後に開いた
  ものと思います。まだ内部に何か残されていると
  思います。

  「生化石」なまかせき(仮称)。。。世界初

  生物組織体が常温下にて、水分を含んだ状態で
  生体時そのままに超長期保存されることは、私と
  しては大変に勇気付けられるものです。
  しかし、地質学的常識では駿河湾深海底からこの
  ような化石の産出はありえないものです。分子生物
  学的にも内容は極めて論外であり、実物を見てい
  ない方は一層その思いがあることと認識いたしま
  す。自然科学ではない、とのご批判承知の上にて、
  大変に複雑な心境。

  。。。それでも、これが私の見た自然です。

  記載日:2017年10月11日


  - 遺伝解析について -

  大変興味深いものです。化石等、古い試料の場合、
  DNAの採取は極めて難しいです。採取出来たとして
  も断片にとどまり、種同定や進化解析には至りません。
  (恐竜の進化がわからないのと同じ理由です。)また、
  内部の軟組織も海水に長らく浸さていたので、微生物
  由来のDNA等コンタミ(汚染)が多く、解析はほぼ
  不可能と思われます。生物標本としての価値は高いと
  思います。

  試料一部からDNAを抽出後、18S または16S
  ribosomal DNAをPCRで増幅し、クローン化して、
  複数クローンする(周りに着いている微生物のDNA
  も混入するため)手法と思います。

  非常に興味をそそられました。人骨あるいはその化石
  からのDNA解析に。。。(以下、内部情報を含むた
  め記述は控えます。)

  (複数名の研究者による見解)

  国立遺伝学研究所
  2017年10月18日



(表)

(裏)

  石化種子(3)

  更に一粒見つけました。クルミ科の一種のようです。
  完全に石で珪化木とされる状態のような質感です。
  半分に割れており、内部の構造が明瞭に確認出来
  ます。これほど早く石化種子3個目となるとは思い
  ませんでした。とてもとても不思議な気がします。
  今回見つけたものは上記、No.2と同種とみられ
  ます。極めて保存状態の良い化石です。縁辺は鋭角
  に割れており石質となった後、地中において極めて
  高圧のせん断応力が加わったものと思われます。
  「スルガナッツNo.3」(仮称)

  重量:3g
  採取地点:34°52′N - 138°42′E
  採取深度:460m
  採取日:2017年11月7日





(左側面)

  石化種子(4)

  一粒見つけました。微細な種子です。完全に石で黒
  色です。片方側面に窪みがあり、わずかに軟質なよ
  うに思います。推測ですが、内部には軟組織が保存
  されていると考えます。
  「スルガナッツNo.4」(仮称)

  採取地点:34°55′N - 138°42′E
  採取深度:480m
  採取日:2017年11月13日




  石化種子(5)

  ウメ類に酷似した種子で完全に石質、硬質なもの
  です。
  「スルガナッツNo.5」(仮称)

  採取地点:34°52′N - 138°42′E
  採取深度:480m
  採取日:2018年3月13日





  石化種子(6)

  クルミ科の一種のようです。完全に石質、硬質なも
  のです。紡錘形をしておりオオバタグルミ(絶滅種)
  とオニグルミ(現生種)の特徴を持つ中間的な種の
  ようにも思います。内部に軟組織が保存されている
  可能性があるため液浸透標本保存としています。
  「スルガナッツNo.6」(仮称)

  採取地点:34°57′N - 138°42′E
  採取深度:460m
  採取日:2018年4月17日。。。乗船調査150回目





  石化種子(7)

  クルミ科の一種のようです。完全に石質、硬質なも
  のです。内部に軟組織が保存されている可能性があ
  るため液浸透標本保存としています。
  「スルガナッツNo.7」(仮称)

  採取地点:34°53′N - 138°42′E
  採取深度:480m
  採取日:2018年4月29日




  石化種子(8)

  完全に石質、硬質なものです。液浸透標本保存とし
  ています。
  「スルガナッツNo.8」(仮称)

  採取地点:34°56′N - 138°43′E
  採取深度:380m
  採取日:2018年9月12日




  石化種子(9)

  「スルガナッツNo.9」(仮称)
  上記、(8)と説明は同様です。

  採取地点:34°57′N - 138°43′E
  採取深度:420m
  採取日:2018年12月25日




  石化種子(10)

  完全に石質、硬質なものです。。。と記述しよう
  と思いましたが、一部表面の殻部分が剥離状態で
  内部組織が露出しています。この部分は炭化状で
  すが柔軟性を保ちます。鉱物置換された石質に柔
  軟性を保つ組織体が付随する化石の発見は世界的
  にも稀なことと思います。液浸透標本保存としま
  した。
  「スルガナッツNo.10」(仮称)

  採取地点:34°53′N - 138°42′E
  採取深度:460m
  採取日:2018年9月16日


  上記、(10)の化石がどの年代のものかの検討が
  必要ですが、堆積物中に含まれる他の柔軟炭化植物
  類についてもかなり古い年代の化石が含まれること
  を示唆するものです。鉱物置換進行中の状態と思い
  ます。鉱物置換化石がどのように生成されるのかが
  明瞭に観察出来るものです。

  「軟炭化石」(仮称)

  「硬度は時間と組織密度に比例する。」(仮説)

  記載日:2018年9月21日




  石化種子(11)

  完全に石質、硬質なものです。小さく、変形してい
  ますがクルミ科の一種と思います。
  「スルガナッツNo.11」(仮称)

  採取地点:34°53′N - 138°42′E
  採取深度:460m
  採取日:2018年9月16日




  石化種子(12)、(13)、(14)

  この日、石花海海域にて3個採集されました。左
  端は欠損がない状態、中央、右端は半分に割れた
  ものです。完全に石質、硬質なものです。
  「スルガナッツNo.12、13、14」(仮称)

  採取地点:34°37′N - 138°22′E
  採取深度:360m
  採取日:2019年12月1日




  石化種子(15)

  一部表面の殻部分が剥離状態で内部組織が露出
  しています。内部組織も石質で硬質です。

  「スルガナッツNo.15」(仮称)

  採取地点:34°52′N - 138°42′E
  採取深度:430m
  採取日:2020年10月15日




  石化種子(16)

  完全に石質、硬質なものです。ニシキギ科ハリツル
  マサキに近縁種の種子ではと思います。現生種の国
  内分布は奄美大島、沖縄となり海岸の隆起珊瑚など
  の石灰質土壌に生育する常緑低木です。
  「スルガナッツNo.16」(仮称)

  採取地点:34°52′N - 138°41′E
  採取深度:430m
  採取日:2018年5月12日




  石化種子(17)

  完全に石質、硬質なものです。微細な種子ですが
  極めて保存状態の良いものです。
  「スルガナッツNo.17」(仮称)

  採取地点:34°53′N - 138°42′E
  採取深度:460m
  採取日:2018年9月16日




  石化種子(18)

  完全に石質、硬質なものです。ブナ科シイ属の
  スダジイの種子に酷似します。
  「スルガナッツNo.18」(仮称)

  採取地点:34°52′N - 138°41′E
  採取深度:480m
  採取日:2018年9月20日




  石化種子(19)

  完全に石質、硬質なものです。この3個の種子は
  泥質堆積物とともに採取した炭化状で軟質な果実
  1個の中に含まれていました。果実は球形で、取り
  出す際に確認したところ内部は4つの区切りがあり
  、種子は整然と配置されていました。1つは空でし
  た。果実は軟質のため保存出来ませんでした。
  果皮部分が軟質のため採取時には堆積間もない
  ものと思いましたが精査し石質であることが分か
  りました。
  「スルガナッツNo.19」(仮称)

  採取地点:34°52′N - 138°41′E
  採取深度:480m
  採取日:2018年9月20日


(写真1)

  (実験)

  表題)
  種子内部はどのような状態であるのか?

  副題)
  ~ 簡易的な非破壊手法を用いて ~

  実験方法)
  海水より比重の大きい液体へ入れました。

  結果)
  3個、ほぼ同様に浮きました。(写真1)参照

  結論)
  内部には空間があり、水分が存在します。
  浮力から内部の水分量は3個ともほぼ同量
  です。

  考察)
  軟組織が保存されている可能性を示唆する
  ものと考えます。時間経過による浮力変化
  がないことから浸透圧に耐える分子レベル
  の気密性が保たれていると推測します。

  付記)
  液浸透標本保存としました。

  ↑
  提出期限間際の学生が書いた実験レポート
  のようなまとめですが、本人は真剣です。




  石化種子(20)

  軟質な果実です。左端にはわずかに炭化状の果皮
  が付着しています。果肉の一部が欠落しており内部
  の種子1個が露出しています。この種子は石質で硬
  質です。対角位置(三角形)に同様の種子2個が含
  まれていると思われます。このままの状態にて液浸
  透標本保存としました。
  「スルガナッツNo.20」(仮称)

  採取地点:34°52′N - 138°41′E
  採取深度:480m
  採取日:2019年5月15日




  石化種子(21)

  種子部分が石質で硬質です。
  「スルガナッツNo.21」(仮称)

  採取地点:34°37′N - 138°22′E
  採取深度:360m
  採取日:2019年12月1日




  石化種子(22)

  完全に石質、硬質なものです。これも上記同様の
  実験を行ったところ浮くことが確認されました。
  「スルガナッツNo.22」(仮称)

  採取地点:34°51′N - 138°41′E
  採取深度:480m
  採取日:2018年10月3日




  石化種子(23)

  「スルガナッツNo.23」(仮称)

  採取地点:34°51′N - 138°41′E
  採取深度:460m
  採取日:2019年3月9日








  石化種子(24)

  炭化状ですが枝部分は柔軟性があり堆積間もない
  ものと考えていました。しかし、果実部分は表面は
  軟質ですが内部は硬質のようであるため切開した
  ところ石化種子となっていました。枝に付いたまま
  石になっています。完全に石質、硬質なものです。
  このような石質となるには少なくとも数百万年は要
  するものです。右側の果実は切開していません。
  このままの状態にて液浸透標本保存としました。
  「スルガナッツNo.24」(仮称)

  採取地点:34°51′N - 138°41′E
  採取深度:480m
  採取日:2018年10月3日




  石化種子(25)

  炭化状で軟質な果実です。縦割りで切断されてい
  るもので内部組織が状態良く保存されています。
  左側部分には茶色の石化種子が露出して確認出
  来ます。右側内部についても針状器具にて調査し
  たところ同様に硬質な種子が存在することが確認
  出来ました。
  「スルガナッツNo.25」(仮称)

  採取地点:34°52′N - 138°41′E
  採取深度:420m
  採取日:2019年2月10日




  石化種子(26)



  (拡大)

  ウメ類に酷似した種子です。美しい赤色、石質で
  硬質なものです。表面には果肉と思われる軟組織
  が付着しています。種子表面を鉄製の針状器具に
  てわずかに切削してみましたが傷はつきません。
  最も信じがたいことは軟組織にウメ類特有の香り
  が確認出来ることです。石質であることが実際で
  あれば、生体時の芳香が保存された初めての植物
  化石産出となるかと思います。液浸透標本保存と
  しました。
  「スルガナッツNo.26」(仮称)



  海水より比重の大きい液体へ入れたところ沈みま
  した。このことは種子内部についても石質である
  可能性を示唆するものと考えます。

  採取地点:34°53′N - 138°41′E
  採取深度:480m
  採取日:2019年2月17日




  石化種子(27)



  (拡大)

  桃類に酷似した種子です。この種子は硬質ですが
  全体が完全に石化しているものではありません。
  表面に散在して黒色粒状が付着していますが、そ
  の箇所は硬質で石質となります。深海底鉱物類の
  生成、あるいはノジュールが形成される初期段階
  のように思います。
  「スルガナッツNo.27」(仮称)

  採取地点:34°52′N - 138°41′E
  採取深度:420m
  採取日:2019年2月10日


(表)

(裏)

  マツ科モミ属の種鱗。

  炭化状で柔軟性があるものです。堆積間もないも
  のに見えますが、軸部分の下部は石質で硬質です。
  かなり古いもので化石と評価出来るものと思いま
  す。

  採取地点:34°51′N - 138°41′E
  採取深度:480m
  採取日:2018年10月3日




  花と思われる炭化物。

  上部の塊状部は炭化状で柔軟性があります。軸部
  分は石質で硬質です。

  採取地点:34°52′N - 138°41′E
  採取深度:420m
  採取日:2019年2月10日


  上記にて掲載しています植物化石類の形質は世界
  的に見てもこれまでに確認されたことがなく現時
  点では駿河湾特有のものです。海洋、特に深海領
  域環境での化石生成プロセスによるものと考えま
  す。

  「駿河湾型植物化石」(仮称)

  記載日:2018年10月29日


  外見的にはどの植物類もそれほど年月が経ってい
  ないような状態です。海神が住むとされる龍宮と
  は時が止まるような不可思議な世界のようです。




  柔軟炭化植物(1)

  陸生植物の葉。葉脈が明瞭に確認出来ます。

  採取地点:34°53′N - 138°42′E
  採取深度:460m
  採取日:2018年9月16日




  柔軟炭化植物(2)

  上記、(1)より硬質なものです。葉の縁辺は柔軟性
  がありますが主脈部分は硬く、珪化木に近い質感とな
  ります。化石と評価出来るもののように思います。

  採取地点:34°57′N - 138°42′E
  採取深度:460m
  採取日:2018年4月17日




  葉脈が保存された陸生植物の葉。

  柔軟性があり、まだ新しいものと思われます。生物
  分解速度が遅いため葉脈が状態良く保存されていま
  す。これは化石ではありません。

  採取地点:34°56′N - 138°43′E
  採取深度:380m
  採取日:2020年12月27日




  上記、石炭化した樹木片(6)には採取時に巻貝
  類と思われる卵のうが付着していました。おそら
  くヒタチオビ類のものと思います。このことはこ
  の石炭が泥質海底表面に存在したことを示します。
  極めて偶然的な卵のう付着と思います。






  泥質堆積物に含まれていた小石(1)

  石化種子の可能性があるものです。

  採取深度:420m
  採取日:2017年4月20日






  泥質堆積物に含まれていた小石(2)

  2個目の採取。

  採取深度:460m
  採取日:2017年11月7日







  泥質堆積物に含まれていた小石(3)

  小石と記述しましたが不思議な形状です。硬質で上部
  、および下部は深く窪みます。何かの化石のようにも
  見えます。もし化石とすれば質感からかなり古い時代
  のものと考えます。磁石につくことから強磁性鉱物で
  置換されているようです。

  「駿河深海細臼状微石」
  するがしんかいほそきゅうじょうびせき(仮称)

  採取深度:460m
  採取日:2017年11月7日

  アルキメデス・コケムシに近縁種の化石でしょうか。
  。。。3憶年前


(上部)

(側面)

  堆積物に含まれていた小石(4)

  石質で磁石につきます。ウミユリの支持体(茎部)
  の一節のように見えます。かなり古い時代の化石で
  はないかと思います。

  採取深度:480m
  採取日:2018年10月3日


(上部)

(下部)

  泥質堆積物に含まれていた小石(5)

  単体サンゴ類と思われるものです。石質で磁石につ
  きます。2個体形態が似ていますが別種のようです。
  極めて古い時代のものと考えます。

  採取深度:430m
  採取日:2018年3月18日



(上部)

(下部)

  泥質堆積物に含まれていた小石(6)

  単体サンゴ類であるクサビライシ科と思われるもの
  です。現生種の国内での北限は奄美大島とされてい
  ます。極めて保存状態の良い化石です。クサビライ
  シ科は海水温が高く、極浅い海底に生息します。

  採取深度:460m
  採取日:2018年4月10日


(側面)

(上部)

  泥質堆積物に含まれていた小石(7)

  単体サンゴ類と思われるものです。極めて古い時代
  のものと考えます。

  採取深度:460m
  採取日:2019年2月14日




  泥質堆積物に含まれていた小石(8)

  硬質なものです。写真では確認出来ませんが上方側
  面に共通した線状起伏があります。これも生物類の化
  石と考えます。形状的には貝形虫類に似ているように
  思います。

  採取深度:420m
  採取日:2018年4月21日



  深海領域から化石、特に陸生生物(植物)の化石が
  採集されたことは世界的にも前例がないように思い
  ます。産出状態、化石形質の特異性は他に類がなく、
  現在、駿河湾深海底のみで確認出来るものです。
  化石新産地発見!。。。世界初、深海底。

  「駿河湾深海底化石群」(仮称) 2017年5月10日


  駿河湾深海底化石群の生成過程(仮説)

  1.植物(樹木)が深海領域海底へ堆積する。
  2.生物分解が少なく形状保持のまま炭化する。
  3.高圧力(約50気圧の水圧)環境にて海底下
    へ埋没する。陸に近く河川の流入も多いこと
    から堆積物が多く埋没速度が比較的速い。あ
    るいは海底地すべりによる埋没。
  4.火山活動が活発な地域であり地熱にて石炭化。
  5.地殻変動(隆起)により海底上へ露出する。
    (地殻変動が激しいため周囲の堆積物が石化
    して付着する前に海底上へ露出。)

  駿河湾東部の深海領域では陸生植物供給、
  高圧力、熱源、および地殻プレート移動が
  持続されているため現在でも上記過程1~
  5までが連続して進行していると思います。
  特異なメカニズムであり、この過程が実際
  であれば化石生成を研究する上で重要な
  ものと考えます。

  付記1)
  産出した石炭、石化種子に海洋生物(穿孔性
  二枚貝等)による影響がまったく見られない
  ことは疑問となります。

  付記2)
  産出する化石類は年代にかなりの時間差があ
  るように思います。生成過程につきましても
  年代により様々異なるものと考えます。

  付記3)
  石炭については他の地域よりの漂着を検討
  しましたが表面摩耗がごくわずかなこと、
  および浅海性付着貝類痕(フジツボ等)が
  見られないなど、その可能性は低いと考え
  ます。

  記載日:2017年5月14日




 



  堆積岩(1)

  堆積岩を覆うように何らかの鉱物が付着しています。
  一部は硬質な黒色光沢のガラス質です。孔は何かの
  噴出孔でしょうか。

  重量:95g
  採取深度:380m
  採取日:2017年9月10日




  堆積岩(2)

  採取深度:430m
  採取日:2017年11月2日


  上記、2個採集されたほぼ同質の岩石は深海底環境
  由来による生成と思われます。石質が特徴的です。
  「スルガ石」するがいし(仮称)

  および、ガラス質部分は結晶構造とみられ化学組成
  分析により、新鉱物となる可能性もあると思います。
  「駿河石」するがせき(仮称)

  スルガ石の性質といたしましては。。。
  磁石につきます。極めて強力に ↓



  スルガ石には鉄、ニッケル、コバルト、ガドリニウム
  のいずれか、または重複して含まれています。岩石
  全体が均一に磁石につくのではなく、特定個所のみ
  強力につきます。これは特定個所に強磁性物質が
  高濃度で存在することを示唆します。コバルトリッチ
  クラストと評価出来るものと思います。

  磁性検査日:2017年11月8日




  堆積岩(3)

  この堆積岩には石炭が多く含有されています。付近
  の海域から採集される泥質堆積物に多く含まれる貝
  殻、有孔虫骨格、その他海洋生物遺物等はまったく
  含まれていません。これはこの堆積岩が南方外洋の
  さらに深い深海領域にて生成されその後、プレート
  の移動により駿河湾まで運ばれたことを示唆するも
  のです。



  (石炭部分拡大)

  。。。この石炭となった植物類はどこに生育したので
  しょうか。

  採取深度:360m
  採取日:2019年12月1日




  マンガン団塊とみられる凝結塊。

  同質のものを数個採集しています。写真のものは磁石
  につきませんが、強力につくものも採集しています。

  採取深度:430m
  採取日:2017年11月2日





  マンガン団塊とみられる凝結塊。

  有孔虫の骨格を核として生成中のものと見られます。

  採取深度:480m
  採取日:2017年11月13日

  性質といたしましては。。。
  磁石につきます。極めて強力に ↓




  駿河湾深海底でもマンガン団塊が生成されていること
  を示唆するものと思います。


 

  二枚貝(空殻)を核に生成中のものと見られます。
  同様に磁石につきます。この大きさの団塊に形成される
  までにどのくらいの年月を経たのでしょうか。マンガン
  団塊が1mm形成するには100万年程度とされていま
  す。貝についても化石であると思います。

  採取深度:480m
  採取日:2017年11月13日




  有孔虫の骨格が含まれるマンガン団塊。

  採取深度:460m
  採取日:2019年1月14日




  細礫を含むマンガン団塊。(右端)

  採取深度:480m
  採取日:2019年5月8日




  透明な鉱物結晶を含むマンガン団塊。

  採取深度:480m
  採取日:2019年5月8日




  環形動物類の棲管(空殻)表面に微細なマンガン粒状が
  散在して付着しています。粒状個所は磁石につきます。

  採取深度:420m
  採取日:2017年12月7日




  マンガン団塊とみられる凝結塊。

  写真のものはすべて磁石につきます。

  採取深度:480m
  採取日:2017年11月13日




  マンガン団塊とみられる凝結塊。

  表面が極薄い金属箔のようなもので覆われています。
  マンガン団塊の通常の生成過程ではこのような形質
  とはならないものです。磁石にはつきません。

  採取深度:480m
  採取日:2018年9月20日




  マンガン団塊とみられる凝結塊。

  石炭を核として生成したものです。このような状態での
  生成が確認されたのは世界で初めてと思います。
  この採取物より何が考察出来るでしょうか。
  ↓
  上記にも記述しましたがマンガン団塊が1mm形成する
  には100万年程度を要するを引用すればこのマンガン
  団塊は直径約2cmですから中心部から1cmとして形成
  に1000万年を要したことになります。フィリピン海
  プレートは4cm/年で北上していますから。

  4×10000000÷100000=400

  この石炭を核にマンガン団塊が生成を始めた位置は
  採取地点より南東へ400km地点、マリアナ海溝北部
  付近となります。石炭の角部分が鋭角に切断されてい
  るためそれ以前は地中深くに埋没していたものと思い
  ます。すでにその時点で石炭であったのですから更に
  古い時代、そしてより南方地点で植物として生育しそ
  の後、埋没したと考えられます。この採取物は1000
  万年以前、フィリピン海プレートと太平洋プレートの間
  に大陸プレート(安定大地)が存在したことを示す証拠
  となるものです。大陸は太平洋プレートの西進により
  現在、マリアナ海溝とされる地点より地球内部へ消滅
  したと推測します。フィリピン海プレートは約5000
  万年前から拡大を開始し1500万年前に日本付近へ到
  達していますから大陸の消滅はその期間のいずれかだ
  ったのかも知れません。この石炭となった植物はどのよ
  うな大地に生育したのでしょうか。

  ※プレートの移動速度は場所、時代により変動がある
  ことを考慮する必要があります。

  採取深度:420m
  採取日:2020年10月31日




  石炭とコバルトリッチクラストを含む堆積岩。

  石炭(20~30mm部分)
  コバルトリッチクラスト(90mm部分)

  この堆積岩もフィリピン海プレートの北上に伴い駿河湾
  まで運ばれたものと思います。海洋研究開発機構の調査
  にて2017年、房総半島沖の東南東約350kmに位
  置する拓洋第3海山でコバルトリッチクラストが確認さ
  れています。上記の考察(計算)と整合性があるように
  思います。この石炭となった植物はどのような大地に生
  育したのでしょうか。

  採取深度:360m
  採取日:2021年11月14日




  コバルトリッチクラストに覆われた石炭を含む堆積岩。

  強磁性を示し磁石につきます。一部欠けており石炭が
  露出しています。

  採取深度:380m
  採取日:2023年10月18日


  深海底鉱物類について日本領海内での産出が確認され
  たことは初めてと思います。排他的でなく、日本国の
  主権がおよぶ範囲です。沿岸から極めて近いため陸部
  から延伸した筒管により直接採集可能で低コスト採集
  が見込まれるものです。世界的に見ても最も沿岸から
  近い地点に海洋鉱物資源が存在するものと思います。

  深海底鉱物採集成功! 。。。レアなものでしょうか。
  少々小さいですが、大切に利用すればこのような資源
  で十分とも思います。

  「駿河湾深海底鉱物資源」(仮称)
  2017年11月3日


 

  上記、有孔虫の骨格については採集したものすべて
  が強磁性を示します。表面に極薄い被膜状に鉱物が
  付着して存在するようで、マンガン団塊生成初期の
  状態ではと思います。

  採取深度:460m
  採取日:2017年11月7日





  ホシムシ類の棲管。

  巻貝の空殻内部に泥を固めた棲管を作ります。
  この泥は強磁性を示します。

  採取深度:430m
  採取日:2017年9月9日





  なぜホシムシ類の棲管泥は強磁性を示すのか。
  海底の極表層から微細な泥を採集して水分を抜き
  泥団子を作ってみました。左下のものは船の形に
  しようとしましたが、うまく行きませんでした。

  結果は。。。
  磁石につきます。極めて強力に ↓




  駿河湾深海底、陸部から極めて近い地点の表層
  泥においても何らかの強磁性物質が高濃度で含
  まれています。この濃度から推測すれば、その埋
  蔵量は莫大なものと思います。希土類各種、期待
  出来るかも知れません。。。発見者は私です。
  時間があるときに再度、船の形を整えたいと思い
  ます。

  採取深度:360m
  採取日:2017年11月20日




  深海底表層泥は海洋生物由来の有機物を含むため
  腐敗防止液に浸透保存しています。陸部から採集
  可能で有用な天然資源と考えます。

  採取深度:430m
  採取日:2019年5月12日






  静浦沖にて採取された堆積岩。

  堆積岩の一部は磁石に強力につきます。表面に微細な
  毛のようなものが確認出来ます。周辺地域は温泉地帯
  であり地下からの湧水成分が結晶となったものと思い
  ます。宇久須温泉ではこの結晶より大きい柱状結晶が
  確認出来ます。

  採取深度:230m
  採取日:2020年2月8日




  斧石とみられる塊状岩。

  板状の乳白色および透明な結晶が密集しています。
  その中の2個は透明茶色の結晶です。もし斧石であ
  れば深海領域から初めての産出となるかと思います。
  伊豆半島、および周辺島嶼からの産出もないようで
  す。

  採取深度:380m
  採取日:2020年12月27日




 

  環形動物類の棲管

  堆積物の磁性検査をしている過程で見つけました。
  棲管が磁石につきます。上下には極微細な孔があ
  ります。生物本体は確認出来ませんでした。



  軟質な棲管ですが磁石につきます。上記の種と
  同種かは不明です。この種は堆積物(砂れき類)
  を棲管に付着するため体内から鉄成分を分泌さ
  せ利用しているのかも知れません。磁石に強力
  につくことから軟質な透明被膜に鉄成分と思われ
  る強磁性物質が高純度で含まれているようです。
  どのような状態で鉄成分が存在するのか不思議
  です。写真は保存液浸透状態、4個体採集。
  これまでにこのような生物種の記載はないので
  はと思います。鉄にはつきません。

  強磁性生命体
  「Iron worm」
  アイアンワーム(仮称)。。。新種の可能性

  採取深度:460m
  採取日:2017年11月7日







  堆積物に含まれていた耳石。

  魚類の耳石としては比較的大きいサイズです。表面、
  および縁辺部はかなり摩耗し滑らかな質感です。化
  石と評価出来るものと思います。

  採取深度:340m
  採取日:2017年3月20日





  堆積物に含まれていたツノガイ空殻。

  両端が欠損したツノガイです。内部は空洞です。表面に
  鉱物類が付着しており、ワロウソクツノガイの一部(左)、
  巻貝(右)が固着状態となっています。巻貝はこれまでに
  生体での採取はない種です。全体が磁石につきます。か
  なり古いもので、化石と考えられるものと思います。

  採取深度:360m
  採取日:2017年11月20日





  堆積物に含まれていた。。。?(1)

  どのような由来による形状物であるかは不明です。
  微粒子状の砂質が固形しているものです。

  採取深度:480m
  採取日:2017年3月11日

  磁性検査を行ったところ黒色部分について強磁性を
  示しました。わずかに磁石につきます。何らかの鉱
  物が表面を覆っているようです。かなり古いもので
  化石の可能性もあるように思います。
  2017年11月15日





  堆積物に含まれていた。。。?(2)

  これも以前より時折含まれていることは確認してい
  ますが、ヤギ類の枝の一部と思い、気にしませんで
  した。しかし、精査すると石質で硬質なものです。
  棒状部分はストロー状で中は空洞となります。上部
  の球状部が磁石につくことから鉱物であり、化石と
  考えます。化石種では床板サンゴ類が最も形状が
  似ていると思います。生息年代は4億8千万年~
  2億5千万年前となり、浅海に生息したとされます。
  もし、これが実際であればこの年代のいずれかの
  時期に現在のフィリピン海プレート側に浅海領域が
  存在したこととなります。(陸地も存在。)

  採取深度:430m
  採取日:2017年9月9日




  複数個の採集となりました。

  採取深度:420m
  採取日:2017年12月7日





  堆積物に含まれていた。。。?(3)

  上部が強力に磁石につくことから鉱物であり、化石と
  考えます。

  採取深度:360m
  採取日:2017年11月20日





  堆積物に含まれていた。。。?(4)

  ガラス質で半透明、表面には光沢があります。上部
  は堆積物、または鉱物が入り込んでいるため黒色と
  なります。上部は磁石につきます。

  採取深度:430m
  採取日:2018年2月22日




  2個目。

  ガラス質で形質は上記に似ていますが下部先端は
  棘状です。これは磁石につきません。



  下方よりレーザー光を照射すると透過して内部構造
  が確認出来ます。出力:1mw/波長:650nm

  採取深度:430m
  採取日:2018年3月18日





  堆積物に含まれていた。。。?(5)

  環形動物類の棲管のような形状ですが硬質で磁石
  につきます。石英と思われる鉱物結晶が多く付着
  し美しく輝きます。

  採取深度:430m
  採取日:2018年3月18日





  堆積物に含まれていた。。。?(6)

  塊状で質感からかなり古いものと思います。浅海
  性サンゴまたはコケムシ類の化石と考えるもので
  す。他類の可能性もあるため?としました。

  採取深度:420m
  採取日:2017年11月27日







  堆積物に含まれていた。。。?(7)

  枝状で表面(写真上)にはポリプ形状が密集しま
  すが裏面(写真下)は滑らかです。磁石につきま
  す。かなり古いもので化石と考えます。

  採取深度:420m
  採取日:2017年12月7日





 

  堆積物に含まれていた。。。?(8)

  石質でわずかに磁石につきます。前後の側面に
  孔のような窪みがあります。生体時には貫通し
  ていたものと考えます。

  採取深度:420m
  採取日:2017年11月27日



 

  堆積物に含まれていた。。。?(9)

  ガラス質で可視光を通します。磁石に強力につき
  ます。自然残留磁気によるものと思いますが強力
  です。

  採取深度:420m
  採取日:2017年12月7日







  堆積物に含まれていた。。。?(10)

  石質でごく薄い形状物です。表面はわずかに曲面状
  となります。赤褐色部分は磁石としての性質を示し
  鉄に強力につきます。人工物でしょうか。それとも
  自然物(天然磁石)でしょうか。天然磁石の生成は
  落雷によるとされています。もしこれが天然磁石で
  あるとすれば、どのような状況にて落雷を受けたの
  でしょうか。かつて陸地の地表面に存在したことが
  あるのでしょうか。

  採取深度:480m
  採取日:2018年10月3日




 

  堆積物に含まれていた。。。?(11)

  硬質で純白、表面は滑らかな質感で光沢があります。
  有孔虫の化石種Triloculina angularis d'Orbigny,1850
  に形状が酷似しますが大きさは他の有孔虫と比較して
  も顕著に大きいものです。この種も絶滅種と思いますが
  骨格の表面状態からごく近い年代まで生存していたよ
  うに見えます。未記載種の可能性が高いと考えます。

  採取深度:360m
  採取日:2017年11月20日



  複数個の採集となりました。



  現生人類の左手小指との大きさ比較。(私の小指です。)

  採取深度:460m
  採取日:2019年3月9日

 

  別種と思われる個体。

  1個のみの採取です。石質に近いもので上記の種より
  古い時代に生息したように思います。

  採取深度:460m
  採取日:2019年3月9日


(上部)

(下部)

(側面)

  堆積物に含まれていた。。。?(12)

  石質で硬質、磁石に強力につきます。表面は研磨され
  たように滑らかで上部の一部縁辺は溶解しています。
  Australite(ボタン型テクタイト)の可能性。
  かつて天空を超高速で弾道飛行したものでしょうか。
  もしテクタイト類であれば日本初。

  採取深度:460m
  採取日:2018年4月10日




  堆積物に含まれていた。。。?(13)

  ゴム質感で柔軟性があります。動作は確認出来ません。
  採取後間もないものを解剖したところ内部は赤色で粘性
  のある体液のようなもので満たされていました。側面に
  微細な生物類が固着していることから卵ではなく長期的
  に成長した1個体の生物と考えます。写真のものを含め
  てこれまでに5本採集していますがすべて長さはわずか
  に違います。白い棒以外に形態的特徴が見当たりません。
  研究機関にて所蔵、調査中です。

  採取深度:420m
  採取日:2022年4月20日




  堆積物に含まれていた。。。?(14)

  軟質なもので全体が毛で覆われています。地下からの
  湧水成分が堆積物中で結晶となったものと思います。

  採取深度:460m
  採取日:2017年11月7日




(表面拡大)

  堆積物に含まれていた。。。?(15)

  上記、(14)と同様のもので更に成長したものと思
  います。湧水が通過したと思われる孔がいくつか確認
  出来ます。静浦沖にて採取されました。

  重量:6g
  採取深度:320m
  採取日:2020年3月7日




(表面拡大)

  堆積物に含まれていた。。。?(16)

  松崎沖にて採取されたものです。上記のものは毛の
  ようなものですが、これは針のようで硬質なガラス
  質感です。これを漁師へ見せたところ。。。↓

  「かなり以前にこれと同じもので、ひとかかえほど
  もある大きなものが揚がったことがある。形は球体
  で中央部は筒状の空洞だった。子浦沖で揚がる。」 

  「。。。筒状の空洞」、筒状の空洞は地下からの湧
  水の通り道で湧水に含まれる成分がその周りに結晶
  として生成したものと思います。周辺地域では上記
  でも記述した宇久須温泉の柱状結晶、および河津町
  で沸石類の産出がありますから化学組成は二酸化ケ
  イ素(SiO2)を骨格とした類似構造と思います。
  子浦は伊豆半島南端、南伊豆町。





  ほぐしてみたら。。。針状は1点から5本伸長する
  結晶でした。やや長い軸のほぼ中央が起点で、そこ
  から水平に3本が伸長しています。隣接する結晶と
  の融合はありません。まるで雲の中で浮いた状態で
  生成される雪の針状結晶(針集合)のようです。こ
  の結晶も海水中で湧水成分が過冷却状態で存在し塵
  を核に浮いた状態で生成されたように思います。結
  晶としては生成過程、形状(星型針状)ともにかな
  り稀なもので世界的にも初めて確認されたものなの
  かも知れません。

  重量:38g
  採取深度:420m
  採取日:2023年10月30日


(外面)

(内面)

  堆積物に含まれていた。。。?(17)

  オオシラスナガイの空殻を核としてノジュールが
  形成中のものです。化石生成の初期段階を示すも
  のと考えます。これまでにオオシラスナガイの空
  殻は多数採集していますがこのような状態のもの
  は初めてです。

  採取深度:420m
  採取日:2022年4月20日




(上部)

  堆積物に含まれていた。。。?(18)

  生物類の歯と思われるものです。顎部分も含め石質
  で硬質です。採取地点は戸田沖のフィリピン海プレー
  ト側で両端はせん断されていることから一時期、地中
  深くに存在したようです。同形歯性で魚類、爬虫類、
  およびイルカ類が考えられます。特徴的なこととして
  3本の歯とも前方(写真左方向)に向かい生えていま
  す。また、歯が生えている部分の顎の箇所は空洞で
  す。3本の歯両端に更に1本ずつ歯が生えていたこと
  が確認出来ます。歯槽骨はありません。現生種の生物
  類で調査中ですが種の特定に至りません。トカゲ類と
  すれば歯の大きさから全長約1.5m程となります。
  もしトカゲ類であればどのような大地に生息したので
  しょうか。

  採取深度:420m
  採取日:2022年4月11日


  ※上記にて掲載しています化石類、堆積物類は
  すべて、田崎義勝による個人所蔵となります。
  学術的価値の極めて高いものを含み、個人にて
  の所蔵、保管はふさわしいことではないと認識
  します。


  個人の興味にて地学、物理記述となりましたが、
  本来の常識的な深海生物類、以下ご覧下さい。↓




  ラスバンマメガニ近似種。(未記載種)

  撮影 / 同定:鳥羽水族館
  全長:25mm
  採取深度:480m
  採取日:2016年3月5日





  ソメワケエビジャコ近似種。(未記載種)

  撮影 / 同定:鳥羽水族館
  全長:16mm
  採取深度:420m
  採取日:2015年10月5日









  ツノガイヤドカリ科の一種。(左右対称ヤドカリ)

  全世界での標本個体数は60個体程度。(1987年時点)
  第1触角が顕著に太く、第2触角は細く短い。腹部は硬質。

  撮影 / 同定:鳥羽水族館
  採取深度:460m
  採取日:2016年3月12日


  ※ツノガイ宿貝 = ツノガイヤドカリ 。。。ではない。



  ツノガイ宿貝としたイマフクツノガイホンヤドカリ。

  右鉗脚肥大は本種の特徴です。

  撮影 / 同定:鳥羽水族館
  採取深度:380m
  採取日:2016年4月23日






  2個体目の採取となりました。宿貝としているツノガイ種、
  および形状が酷似。(後部破損による筒状)




  この宿貝形状、前方よりの天敵に対して後部から脱出す
  るためのものと考え検証しましたが、この個体は大きく、
  後部口から外へ出ることは不可能のようです。本種はこ
  のツノガイ種のこのような破損形状に依存した生活史を
  持つのかも知れません。3個体目がどのような宿貝にて
  採取されるか期待しているところです。

  採取深度:420m
  採取日:2016年3月21日







  3個体目の採取となりました。

  採取深度:380m
  採取日:2016年10月10日







  トゲクモエビ。(通常採集される個体)

  これまでに数個体の採集がなされていますが、いずれも
  特定のウミエラ種に付着しています。少々地味な感じです。



  抱卵個体。卵個数10個確認出来ます。卵個数のみを見
  る限りでは繁殖能力が低いようにも思います。特定のウ
  ミエラ種に付着することもあり、わずかな環境変化が種の
  絶滅に直結するような気がしてなりません。
  (腹部側より撮影)




  このヤギ類に付着していたトゲクモエビは明らかに形態
  が違います。1個体のみの採取。



  採取深度:430m
  採取日:2016年5月15日







  コブイボガニ。(抱卵個体)

  産地記載は三河湾、土佐湾、薩南海域(枕崎沖)。日本
  固有種。駿河湾未記載種となります。1個体目の採取で
  あり、抱卵状態での採取記録はこれまでにないようです。

  採取深度:380m
  採取日:2016年2月18日





  ツブマルミヘイケガニ。(抱卵個体)

  和歌山県立自然博物館所蔵、永井コレクションにて
  雄2個体、雌1個体の記録が確認出来ます。産地記
  載は潮岬沖。研究機関によると現在では採取手段が
  ない種とされているとのことです。

  採取深度:430m
  採取日:2016年2月6日





  クマノエバリアモドキ。

  本種も和歌山県立自然博物館所蔵、永井コレクシ
  ョンにて雌1個体の記録が確認出来ます。1983年
  新種記載、産地記載は和歌山県田辺市沖。

  同定:鳥羽水族館
  採取深度:380m
  採取日:2015年12月6日





  ウスヘリコブシ属の一種。(極希産種)

  過去に永井誠二氏によるドレッジ調査のみにて採取
  記録がなされている個体と同種。

  撮影 / 同定:鳥羽水族館
  全長:4mm
  採取深度:420m
  採取日:2015年10月5日





  ノコハオウギガニ。(極希産種)

  相模湾、紀伊半島南部、土佐湾にて採取記録が確認
  出来ます。駿河湾で採取された初めての個体となりま
  す。

  同定:鳥羽水族館
  全長:16mm
  採取深度:380m
  採取日:2016年10月10日







  ウミタカツノダシマメヘイケガニ。(駿河湾未記載種)

  抱卵個体。極めて微細なツノダシマメヘイケガニ科。
  抱卵状態にて成体と確認されました。鉗脚、および
  すべての歩脚が整った状態での採取となりました。

  撮影 / 同定:鳥羽水族館
  甲幅:3mm
  採取深度:350m
  採取日:2016年1月6日



  「ここに記載した新種は房総半島野島崎沖から得ら
  れた雌1個体にもとづいている。すべての歩脚が失
  なわれているが、額角と眼柄の形態によって他種か
  ら容易に区別される。眼柄がほとんどまっすぐに固
  定され、また額角が細くて眼柄の半分ほどに達する
  ことが著しい特徴である。
  和名はウミタカツノダシマメヘイケガニを提唱する。」

  国立科学博物館動物研究部
  武田 正倫
  1981年12月
  日本甲殻類学会








  2個体目の採取。

  抱卵個数16個でした。

  採取深度:480m
  採取日:2018年4月29日




  ウミタカツノダシマメヘイケガニ。(雄個体)

  雄個体は1個体のみの採取。

  採取深度:430m
  採取日:2018年11月21日




  ヒメヒラツメガニ。(駿河湾未記載種)

  駿河湾にて採取された初めての個体となります。

  採取記録:伊豆七島(利島)、三河湾、土佐湾、豊後水道、
  鹿児島県こしき島。(日本国内での採取記録)

  同定:鳥羽水族館
  採取深度:460m
  採取日:2017年10月9日





  チュウコシオリエビ科の一種。(不明種)

  右鉗脚欠損にて採取された個体。1個体のみの採取。
  今後種の特定精査を考えています。種の記載はありま
  すでしょうか。

  採取深度:430m
  採取日:2017年3月30日






  シンカイコシオリエビ科の一種。(不明種)

  1個体のみの採取。

  採取深度:430m
  採取日:2019年11月9日






  ニッポンモガニ。(抱卵個体)

  採取深度:380m
  採取日:2016年5月9日







  コツノガニ。(抱卵個体)

  北方系の種であるコツノガニ、ニッポンモガニと形態
  が酷似していますが額角が細長く、体色がややピン
  ク色にて区別出来ます。卵数は比較的少なく、卵色は
  明るいオレンジ色です。

  採取深度:380m
  採取日:2016年5月9日







  オカダシンカイコシオリエビ。(抱卵個体)

  採取深度:360m
  採取日:2016年9月11日







  トサカモエビ。(抱卵個体)

  抱卵個数41個。

  採取深度:380m
  採取日:2016年11月1日









  サメハダシンカイコシオリエビ。(抱卵個体)

  抱卵個数17個。

  採取深度:350m
  採取日:2016年12月18日









  イトアシガニ科の一種。(抱卵個体)

  抱卵個数58個。

  採取深度:430m
  採取日:2016年9月29日





  アシナガマメヘイケガニ。
  (二枚貝片を背負う状態での採取)

  ヘイケガニ科のカニ類は短い第4・5歩脚にて二枚貝
  の空殻、海綿等を背負い身を隠す習性があります。
  浅海に生息する種については良く知られていますが、
  深海生息種については確認が難しいため不明点が指
  摘されています。通常、底引き網での採取では船上ま
  でに離してしまうためこれまでに確認出来ませんでし
  た。この個体は未成体で体長は小さいサイズですが船
  上までの数百m、貝を離しませんでした。初めての確認
  となります。船上で急ぎ撮影のため少々ピンボケとなり
  ます。この行動は本能行動か学習行動かと言えば本
  能行動となるかと思います。外敵から身を隠す効果が
  あると思います。しかし、カニ自身はそのような思考は
  持たないのでしょう。本能行動により反射的に貝を背
  負う、この行動が結果的に身を守ることとなり世代を
  受け継ぐことに有利となるのでしょう。進化の過程で
  本能行動を変異させ、手近にある貝片を道具のように
  利用することの証明でもあります。形態変異することな
  く自然環境に適応しています。例えば、1万年前のアシ
  ナガマメヘイケガニ化石と現生個体を比較しても形態
  的差異は認められないと思います。仮に5000年前に
  本能変異から貝を背負うとなったとしても形態学上は
  同種であり、進化と認められないでしょう。
  もう1つはこの本能行動はどのように派生したのでしょ
  うか。背負うか、背負わないかの二者択一。キリンの
  首のような進化理論との整合性はあるのでしょうか。
  ヘイケガニ科の背負い行動は1個体の本能変異で決
  定付けられたように思います。まだこの時点では第4・
  5歩脚は普通のカニ類と同様の大きさ、形状で貝を背
  負うことは困難だったでしょう。ここから先はキリンの
  首理論にて第4・5歩脚の形状変化は説明が出来るの
  かと思います。種の起源は隔離などによる外因の他に
  このような本能変異などの内因が先行する場合がある
  のではないでしょうか。
  是非、お手隙の際にアシナガマメヘケガニになった気
  になり考察頂ければと思います。

  採取深度:380m
  採取日:2016年5月9日



  ”本能は進化の方向性を決定付ける”

  「鳥に翼があっても飛ぶ本能がなければ、
   はばたく事はない。」

  種の起源(種分化)はすべて外因により論じられてい
  るが、これは種の変化を説明するものに思います。
  変化と進化は切り分けて論ずるものと考えます。内因
  が進化の本質ではないでしょうか。本能ゆらぎ。

  本能とは何か。

  本能と生理機能は同じもので行動として現れたものを
  観察者は本能行動と認識する。

  記載日:2016年9月17日


  「マウスの性格、人懐こく変化 12世代交配で誕生」
  国立遺伝学研究所 2017年7月4日 発表

  朝日新聞デジタル版にて掲載 (外部リンク)

  種の中で形態的差異はないが本能行動が異なる個体。
  人為的な選別がなされた結果であるが、わずか12世代
  で本能変異(分布の偏り)が検出されたことは私としては
  大変な驚きです。また、人に懐く(接近する)は種の中で
  グループを形成することに通じる行動であり、この箇所が
  明確に示されたことは興味深いことです。これは本能が
  自然選択により強度を増すことを示唆するもので例として
  寄生、共生する生物種の種分化の説明になりうるものと
  考えます。イソギンチャクと共生するクマノミ、種の起源は
  このようなものだったように思います。

  この個体は人をどのように人と認識するのか、人とサル
  の違いは認識出来るのか等々。。。論点は少々外れま
  すが興味は尽きません。

  記載日:2017年7月5日






  コシオリエビの一種。(不明種)

  1個体のみの採取。
  オオコシオリエビに酷似しますが、鉗脚は異常に長く
  肥大し、額角形状も異なります。

  採取深度:380m
  採取日:2016年9月15日





 

  ヤマトエバリア。(雄個体)

  体色色彩が異なる2個体。どのような色彩個体が存在
  するのか調査中です。

  採取深度:420m
  採取日:2016年9月25日





  インドヘイケガニ。(雄個体)

  左右個体とも雄個体となります。右鉗脚肥大は雄個体
  の特徴ですが右個体はわずかな肥大のみです。

  採取深度:380m
  採取日:2017年1月18日





 

  アシナガマメヘイケガニ。(雄個体)/2タイプ

  左個体は眼の色が黒色、右個体は白色となります。
  形態比較で眼が黒色タイプ個体の方が体が大きく
  成長し歩脚は太く短い傾向にあります。頭部にもわ
  ずかな差異が確認出来ます。採集個体数比率は黒
  色タイプの方が少ないです。別種でしょうか。

  採取深度:430m
  採取日:2017年1月26日

  抱卵個体を比較してみました。↓

 

  卵の色彩、大きさ、および抱卵個数に明瞭な違いが
  確認出来ます。もし、眼黒色タイプが新種であれば。。。
  「和名はアシブトマメヘイケガニを提唱する。」








  トリカジカエラモグリ。(雌雄の可能性)

  2016年12月、新種記載された種と同種と思われる
  2個体。
  日本甲殻類学会国際誌Crustacean Research 2016
   Vol.45:59-67

  採取深度:360m
  採取日:2017年1月25日





  Prionocrangon dofleini Balss,1913

  眼が退化した底生エビ種。上記トリカジカに新種寄生生物
  とのことですが、私が以前より気になる寄生生物はこのエ
  ビ種にいます。




  このエビ個体はわずかに抱卵していますが針先端部の
  腹肢に付着している生物。




  左個体の下部に右個体が付着していました。
  雌雄の可能性があると思います。

  採取深度:430m
  採取日:2017年1月26日

  上記、生物種は2017年に尾鷲沖、深度280mにて
  鳥羽水族館により採取された個体をもとに2020年に
  新種記載がなされました。和名は「エビノユタンポ」
  。。。鳥羽水族館の発見者より連絡頂きました。

  朝日新聞デジタル版にて掲載 (外部リンク)

  雌個体にて新種記載のようです。

  記載日:2020年11月10日




  アラレナガニシに付着するヤドリスナギンチャクの一種。

  熊野灘の深度250~300mにて採取された個体を
  もとに2022年5月、鳥羽水族館により新種記載が
  なされました。和名は「ナガニシヤドリスナギンチャク」。



  駿河湾には上記とは別種と思われるものも生息してい
  ます。上記の種と個体サイズを比較するとより大きく成
  長するようです。付着している巻貝はアラレナガニシに
  似ますが別種です。この巻貝についても未記載種の可
  能性があると思います。

  採取深度:460m
  採取日:2017年11月7日




 

  スジダラに寄生するカイアシ類の一種。

  1個体目の採取。

  採取深度:380m
  採取日:2022年1月30日




  ムシフウリュウウオ属の一種。(不明種)

  同定書にて該当種の記載が確認出来ない個体。

  採取深度:420m
  採取日:2016年5月8日




  2個体目。

  採取深度:430m
  採取日:2016年9月29日

  鰭条数(棘条なし)


 胸鰭 15条

 腹鰭 5条

 背鰭 7条

 臀鰭 4条

 尾鰭 9条

  。。。以上




  3個体目。

  採取深度:340m
  採取日:2017年3月20日




  2個体同時採集となりました。

  採取深度:460m
  採取日:2017年10月9日


 

  上記、2個体を精査、左個体部位を拡大しました。
  この部位2個所にて近似種であるイガフウリュウオ
  とソコグツが区別されます。比較検討すると同定書
  (日本産)に2個体の形態を有する種の記載はなく、
  未記載種(新種)であると考えます。

  「マルフウリュウウオ」
  または、
  「マルムシフウリュウウオ」(仮称)

  記載日:2017年10月22日

  精査2個体は液浸透標本として保管。
  新種記載につきましては専門機関による更なる
  精査が必要となります。ムシフウリュウウオ属に
  は近似形態種ヒラムシフウリュウウオなど数種
  がおり、比較検討が必要と認識します。




  イガフウリュウウオ。(駿河湾未記載種)

  産地記載は九州~パラオ海嶺北部、ハワイ諸島、
  生息深度550mと記載されています。

  全長:40mm
  採取深度:450m
  採取日:2013年3月7日





  フウリュウウオ。(幼魚)

  体表面はゼラチン質状です。

  全長:25mm
  採取深度:350m
  採取日:2014年12月7日






 ←前鰓蓋骨の前向き棘は2本。

  カギフウリュウウオ。(幼魚)

  1個体目の採取。

  本種の幼魚期の形態での採取はこれまでにない
  のではと思います。

  採取深度:380m
  採取日:2021年9月11日






  アカフウリュウウオ。

  希産種。

  これまでで体色が最も鮮明に記録された写真では
  と思います。正面からの表情も

  採取深度:480m
  採取日:2019年1月10日




  モミジガイ科のヒトデ種。(背中側)



  腹側に微細な巻貝が1個体寄生しています。



  トゲモミジガイに寄生するトゲモミジヒトデヤドリニナは
  よく知られていますがこの個体には殻表面に明瞭な螺
  旋状の起伏が確認出来ます。明らかに別種となります
  が該当種が見当たりません。深海に生息する微小貝
  類については未だほとんど調査、研究がなされていな
  いため未記載種が多く存在するとされています。この
  個体もそのような種でしょうか。

  採取深度:380m
  採取日:2016年5月9日





  上記と同種モミジガイ科のヒトデ種。(背中側)



  腹側に微細な二枚貝が1個体寄生していました。(右下)



  (拡大写真)

  閉じた状態での採取のため保存液浸透後、針状器具
  にて開口。軟体部下側にして正面より撮影しました。
  ヒトデ類に二枚貝種が寄生することはこれまでに報告
  がなされていないように思います。今後、再度の採取、
  および慎重な検討が必要と思います。
  私ごと、利き手は右、利き目は左、日常では不便です
  が手元の微細な作業には良いかも。

  採取深度:430m
  採取日:2016年5月15日




  再度の採取となりました。今度は背中側に寄生してい
  ます。





  慎重に剥離すると寄生箇所が窪み表皮がありません。
  ヒトデ内部組織が白く確認出来ます。貝の片側が密着
  状態にて付着していたことが分かります。

 

  採取深度:340m
  採取日:2017年2月14日


  上記、2016年5月15日採取個体を標本化して精査し
  たところ下記、2017年2月14日採取個体とは別種。
  上記の採取時の付着状態記録が正確に出来ていない
  など精度に疑問があります。上記の採取個体は関連の
  ない二枚貝が偶然的に付着していた可能性があります。
  もし、そうであればヒトデ寄生二枚貝は存在する、とい
  う思い込みが下記の採取、記録精度につながったよう
  で、何とも不思議でなりません。上記は、まぼろしで
  下記が現実なのでしょうか。

  記載日:2017年8月28日







  同種モミジガイ科のヒトデ種。背中側にヤドリニナ科の
  一種が寄生しています。1個体目の採取。

  採取深度:480m
  採取日:2017年11月13日





  ジンゴロウヤドカリ。(宿貝:ギンエビス)

  写真右下に微細な二枚貝。



  (拡大写真)



  形態が特徴的な二枚貝です。開いて軟体部を確認し
  ました。




  (再現写真)

  発見時、針先端部に付着していましたがこれが寄生
  によるものか関連のない二枚貝が偶然的にこの位置
  に付着状態となっていたものかは不明となります。
  この写真は発見時の状態を再現したものです。今後、
  再度の採取を試みます。

  採取深度:420m
  採取日:2016年9月25日

  上記ヒトデ付着、ヤドカリ付着の二枚貝は乾燥標本と
  して保管しています。研究機関への提供可能です。




  イマフクツノガイホンヤドカリ。(宿貝:ツノガイ)

  ツノガイを主な宿貝とする小型のヤドカリ種に寄生す
  る生物。(腹節部に2個体)

  採取深度:420m
  採取日:2017年5月4日







  砂礫で覆われたホヤ類近似種。(表面に孔2か所)

  採取時には砂礫にて覆われ体表面の一部が露出し
  ているのみでした。内部を確認するために切開しま
  したが足盤、および触手等は確認出来ません。




  軟質部に微小貝が2個体付着していました。同種と
  思われます。強固な付着状態が確認出来たため寄
  生と考えます。

  採取深度:340m
  採取日:2016年10月27日

  深海の微小貝、大変興味深いです。今後、本格的
  に採集、収集することを考えています。これでしたら
  標本収納スペースは微小で良さそうです。




  内部を精査すると寄生虫が5個体生息しています。
  未記載種でしょうか。たぶん形態的なこともあり多く
  の方はご興味ない生物種かと思いますが。。。
  これも貴重な生命であり、記録と思います。




  上記と同種モミジガイ科のヒトデ種。

  この個体は貝が寄生しているのではありません。
  捕食した貝類の殻が表面に露出している個体で
  す。左側腕にツノガイ、中央部には巻貝、更に右
  側腕にもツノガイがわずかに確認出来ます。この
  状態も排泄なのかも知れません。

  採取深度:430m
  採取日:2016年5月15日





  ハダカモミジの一種。

  ツノガイを捕食していますが、このツノガイは
  空殻のようで中に泥が詰まっています。何とも
  理解しがたい状態です。

  採取深度:430m
  採取日:2016年9月29日





  Prionechinus forbesianus(和名未記載ウニ)に
  寄生するヤドリニナ2個体。(新種の可能性)

  沈木付着状態にて採取となりました。

  同定:鳥羽水族館
  採取深度:450m
  採取日:2015年1月25日





  和名未記載ウニとされる種。棘について短棘タイプ、
  長棘タイプの2タイプが存在します。2種が混在して
  生息しているのではないでしょうか。


  採取深度:460m
  採取日:2015年11月17日







  オーストンフクロウニに寄生するオーストンフクロウニ
  ヤドリニナ。

  採取深度:430m
  採取日:2016年2月25日





  オーストンフクロウニに寄生するオーストンフクロウニ
  ヤドリニナ。よく見ると微細な巻貝がもう1個体付着し
  ています。




  拡大



  さらに拡大

  矮雄。
  雄個体は極端に雌個体より小さい。雌個体は強固に
  付着(吸着)しているが雄個体は弱い付着です。雄は
  活発に移動しているのかも知れません。この程度の
  付着では底引き網採取の場合、欠落となることが多
  いと思います。




  採取深度:360m
  採取日:2016年11月10日






  棘皮動物門の一種。

  採取直後には上部にわずかな伸縮運動を確認しました。
  上部が口であると思われますが触手等はありません。
  最下部先端に極微細な肛門があり、排泄物を確認してい
  ます。海底堆積物内を這うような状態にて生息していた
  のではと思います。

  採取深度:320m
  採取日:2016年11月13日


 

  棘皮動物門の一種。

  側面に泥質堆積物を付着させていることから上部の白色
  部分のみを海底上に出した状態にて生活していたものと
  思います。下部に肛門と思われる孔があります。動作は
  確認出来ませんでした。

  採取深度:320m
  採取日:2021年10月16日




  イカリナマコ科の一種。

  未記載種と思われる個体。

  採取深度:420m
  採取日:2023年10月3日




  アメフラシ科の一種。

  深海領域に生息する小型種。未記載種のように思います。

  採取深度:460m
  採取日:2017年11月7日




  ウミウシの一種。

  採取深度:360m
  採取日:2023年9月30日




  刺胞動物門の一種。

  微細な岩石に付着しています。泥質堆積物で覆われた
  深海底では貴重な付着物となります。

  採取深度:420m
  採取日:2015年11月1日





  刺胞動物門の一種。

  イソギンチャク類に近い種でしょうか。足盤、および触手
  は確認出来ません。



  採取深度:360m
  採取日:2016年10月20日



 

  刺胞動物門の一種。(沈木に付着)

  頂部に1つ孔がありますが触手は確認出来ません。
  紙のように極薄い形態をしています。写真右は側面
  より撮影。同じ沈木に数個体付着していましたがい
  ずれも同様の形態。


  採取深度:430m
  採取日:2016年5月15日





  採取深度:360m
  採取日:2015年9月20日


 

  採取深度:360m
  採取日:2016年10月20日


  刺胞動物門の一種

  堆積物とともに採取された陸生植物枯葉表面にイソ
  ギンチャクに似た種が付着しています。頂部に1つ孔
  がありますが触手は確認出来ません。この種の採取
  は2個体ですがいずれも枯葉表面に同様の状態で付
  着しています。この種は深海底に堆積した陸生植物
  枯葉に依存する生活史を持つのではと思います。沈
  木と比べ不安定な枯葉には他の生物類の付着も少な
  く、また葉表面からはわずかな硫化水素が発生し細
  菌類の繁殖もあると思います。触手が退化的で捕食
  には不向きのように見えます。この種は葉の表面を
  積極的に動きまわり、足盤より栄養分となるものを吸
  収しているのではないでしょうか。伊豆山塊に近く、こ
  のような枯葉供給は十分にあります。枯葉に依存する
  種であれば駿河湾固有種の可能性もあるのではと思
  います。

  駿河湾深海領域は陸地に極めて接近しているため陸
  地からの供給に適応した生態系を形成しています。固
  有種も多く存在すると思います。また、駿河湾内には
  多くの海底谷が存在します。微細な底生生物類にとっ
  て、海底谷は隔離のような環境となります。海底谷ごと
  に独自の進化を遂げ、谷ごとに固有種が存在するの
  ではと思います。






  ダルマハダカエボシ。

  2枚の殻を持つことが腕足動物類の顕著な特徴です
  が、この生物個体は殻形状部の大部分が左右接合
  されています。殻は軟質で写真(下)、針先端部にて
  示す位置のみわずかに開口しています。下部は硬質
  の肉茎状となります。

  同定:鳥羽水族館
  採取深度:350m
  採取日:2016年4月27日







  腕足動物類の一種。

  岩石に付着して採集されたものです。二枚貝類である
  ナミマガシワに形態が似ています。しかし、内部構造を
  確認すると下側(背殻)の内面に透明突起状がありま
  す。このことから腕足動物類となりますが、このような
  種の記載はないのではと思います。

  採取深度:420m
  採取日:2017年11月27日





  採取深度:320m
  採取日:2016年11月13日
(撮影、観察のみ)

 

  ウミウシ類の一種。(沈木に付着)

  わずかな伸縮動作を確認しました。付着状態は弱いも
  のです。極めて軟弱で外的刺激により自切(分解)状態
  となります。ウミウシ類は自切、および再生能力がある
  ことはよく知られていますが、この種は自切と言うより
  細胞レベルでの完全分解状態です。写真右側が分解し
  た状態です。体内には白く細長い寄生虫が1~2匹寄生
  しており、分解中に背面より出て来ます。分解時間は1~
  2分ほどです。一見すると再生は不可能のようですが、
  再生すると考えます。根拠は、この分解動作はほぼすべ
  ての個体に見られるもので遺伝子レベルにてプログラミ
  ングされている生理機能であると言えます。分解の目的
  は不明ですが進化の過程で分解動作を得とくしたのでし
  ょう。その機能は世代を受け継ぐことに有利であり自然
  選択されたものです。もし、分解動作を行う個体が再生
  出来ず世代を受け継ぐことが出来なければ、この機能
  は世代を超えることはないものです。再生が実際に確
  認出来れば、自ら完全分解し、再生する生物種として初
  めての確認となるかと思います。また、この生物種の生
  理機能の研究は再生医療分野への応用が期待出来るもの
  で早急な検証が必要と思います。

  再生と言うより不老不死でしょうか。わずか1分、ベニ
  クラゲとは比較にならないほどリセット時間が短い。
  人類がこの機能を得たら。。。人生1分でリセット。

  採取深度:460m
  採取日:2016年11月17日





  ナマコ類の一種。

  水分を多く含み極めて軟質な種です。

  採取深度:420m
  採取日:2017年11月27日




  クラゲ類の一種。

  初めての採取となります。この日、同船調査となった
  東京海洋大学にて保存、調査となりました。

  後日、イボクラゲ、またはエビクラゲではないかとの
  見解を頂きました。

  採取深度:460m
  採取日:2019年1月14日




  Psolus sp.(岩石表面に付着)

  ナマコ類近縁種。3個体、ほぼ等間隔、および同じ
  方向を向いて付着しています。初めての採集となり
  ます。

  同定:鳥羽水族館
  採取深度:480m
  採取日:2016年9月10日




  右下の1個体を剥離し裏面撮影。



  (裏面)

  消化器が透けて確認出来ます。黒色部は捕食物の
  ようです。
岩石側面にも1個体付着していました。


 

  保存液浸透後に形態確認しました。口、肛門等は
  確認出来ません。




(背面)

(腹面)

  海綿動物に付着する寄生生物?

  カイメン類の断片が採取されましたがその表面に
  1個体の生物と思われるものが付着しています。
  体半分がカイメンに埋もれた状態です。剥離して
  観察しましたが器官類、および動作は確認出来ま
  せん。

  採取深度:460m
  採取日:2018年4月17日






  不明生物。(堆積物に含まれ採取)

  専門機関にて同定を試みましたが不明種となりました。
  採取時には棒状のみでしたが、間もなく側面より触手の
  ようなものを露出しました。棒状の両端に1つずつ微細
  な孔が確認出来ます。

  採取深度:480m
  採取日:2016年9月10日







  不明生物。(沈木付着にて採取)

  ナマコ類に近縁種ではとも思います。採取後間もなく
  肛門より糸状を伸ばしました。これが内臓器官である
  かは不明です。

  採取深度:430m
  採取日:2017年9月9日





  ウミウシ類の一種。

  採取深度:320m
  採取日:2016年10月4日




  ウシよりブタさん酷似。

 

  針先端部の褐色部位は硬質、それを取り囲むように
  軟骨質となります。


 

  背面は軟質です。側面にも1対のヒダ状。

 

  裏側(底面)はこのような状態です。針先端部は軟骨質。
  後ろの丸い部分は肛門でしょうか。





  環形動物門の一種。

  ゴカイ類に近似種と思われます。頭部形状が酷似して
  います。沈木表面にて採取され、活発な前進動作が確
  認出来ました。

  採取深度:430m
  採取日:2017年9月9日





  環形動物門の一種。

  沈木付着にて採取されました。この種も背面にウロコ状
  があるためウロコムシ科と思われます。頭部に軟質突起
  が複数個あり、側面には微細な剛毛束があります。

  採取深度:430m
  採取日:2016年12月7日





  環形動物門の一種。

  研究機関の見解ではイカムシ近縁種の可能とされました。

  採取深度:430m
  採取日:2016年12月7日





  環形動物門の一種。

  採取直後には伸縮動作を確認しました。泥質を固めた
  棲管です。不思議なことに他の堆積物類(貝殻、有孔虫
  骨格、砂粒等)は全く含まれていません。




  頭部に眼、触角、口等の部位は確認出来ません。

  採取深度:430m
  採取日:2016年9月29日





  不明種。

  1個体目の採取個体は専門機関にて同定作業が
  なされましたが種の特定に至りませんでした。2個
  体目の採取となります。採取時にはゆっくりした伸
  縮運動が確認出来ました。

  採取深度:420m
  採取日:2017年2月22日


 

  上部は硬質で円形突起状中央に極微細な孔が
  あります。下部は軟質で1対の針状があり、
  最下部に極微細な孔が確認出来ます。







  生物?生物痕。(左)

  オオシラスナガイ空殻にミョウガガイの一種(右)
  が付着
しています。左側に筒状で下部へ行くに従
  い細くなる形状物が付着しています。硬質で内部
  は空洞です。

  採取深度:360m
  採取日:2017年2月8日






  同様の形状物がウミグモにも付着していました。(赤丸部分)

  採取深度:460m
  採取日:2020年11月14日




  生物棲管?共生ヤギ種。

  ヤギ類枝に筒状の形状物が付着しています。上部
  入口内部より繊細な白色ヤギ種が生えています。
  筒状内部は空洞です。この形状物、以前より時折
  堆積物とともに採取されていましたがどのような
  状態にて海底に存在するのかは不明でした。生え
  ている白色ヤギ種は同種で必ず1本、大きさも不
  思議と同様です。今回初めてヤギ類枝に付着にて
  確認されましたがこの形状物はどのような形成過
  程を経たものでしょうか。


  採取深度:420m
  採取日:2017年2月22日





  ウミエラの一種。上部に4個の球形状、何かの卵
  のようにも見えます。






  1つ取り外し拡大。動作は確認出来ません。ウミ
  エラに巻き付く腕のようなものは硬質で弾力があ
  り、その仕組みはカチューシャのようです。

  採取深度:430m
  採取日:2017年1月26日




  イソギンチャクとウミエラの形態を併せもつ種。

  上部はイソギンチャク、下部はウミエラの特徴で
  ある柄部となっています。柄部は硬質です。この
  状態で海底に立脚していたと思われます。このよ
  うな種の記載はないのではと思います。もし、イ
  ソギンチャクとウミエラの中間種であれば、かな
  り古い時代の形態をもつ生物種で分類上での門
  にあたる階層レベルの検討も必要となります。

  採取深度:480m
  採取日:2019年5月8日






  環形動物門の一種。

  頭部に軟質触手と硬質針状突起を複数持つ種。

  採取深度:430m
  採取日:2017年1月26日







  フサゴカイ近似種。

  泥質棲管の上部先端よりわずかに触手が確認出来ます。

  採取深度:420m
  採取日:2017年2月22日







  

  マメボヤ目近似種。

  最も形態的に近似するのはマメボヤ類でしょうか。
  しかし、マメボヤ類は成長しても数ミリ程度ですか
  ら、この個体はなり大きいものとなります。上部に
  顕著な硬質の蓋があり開閉可能な形態です。開口
  部は薄い膜状となり左右2つ孔があります。側面に
  堆積物を付着させていることから蓋部分のみ海底
  上に露出していたと考えます。オオグチボヤに近い
  種でしょうか。

  採取深度:360m
  採取日:2016年11月10日





  ホヤ綱近縁種。

  ヤギ類の枝に付着しています。上部に2か所孔が
  あることから単体性ホヤに近いものではないかと
  考えます。動作は確認出来ません。

  採取深度:480m
  採取日:2017年3月11日





  ホヤ綱近縁種。

  上記の種と近似種と思われます。ヤギ類の枝に
  付着しています。動作は確認出来ません。

  採取深度:430m
  採取日:2017年9月9日





  ホヤ綱近縁種。

  ごく細いヤギ類の枝に付着しています。極めて軟質
  で海底でどのように立脚していたのか疑問です。動
  作は確認出来ません。

  採取深度:380m
  採取日:2017年9月10日





  ホヤ綱近縁種。

  上部球体は透明軟質で内部に水分を含み膨らん
  でいます。下部の柄部は硬質。動作は確認出来ま
  せん。

  採取深度:430m
  採取日:2017年9月9日




  ホヤ綱近縁種。

  研究機関よりホヤ類に近い種ではないかとされま
  した。

  採取深度:480m
  採取日:2018年4月14日




  ヤギ類の一種。(左方向が上部)



  古い二枚貝の貝片に付着しています。泥質の海底
  では貴重な固定物なのでしょう。深海領域は流速が
  わずかであるため倒れないのかも知れません。この
  大きさに成長するまでにどれほどの年月を要したの
  でしょうか。100年、200年、それ以上でしょうか。
  1度でも倒れたなら堆積物に埋もれることになります。




  極細い形態をした種です。拡大するとポリプ状が
  確認出来ます。




  枝にミョウガガイの一種が2個体付着しています。
  初めて確認した種で模様、赤色彩等、大変美しい
  種です。肉茎部は粘膜質に覆われています。

  採取深度:360m
  採取日:2016年10月20日





  ミュウガガイの一種。

  この種もヤギ類の枝に付着しています。4個体、
  接近しての付着です。わずかに赤色彩が確認出
  来ます。ヤギ類の枝が切れていますが、この状
  態にて採取されました。初めて採取された種で
  す。

  採取深度:430m
  採取日:2016年9月29日





  ミュウガガイの一種。

  2個体、同じヤギ類の枝に付着していました。色彩
  が褐色濃淡となる種。

  採取深度:360m
  採取日:2017年11月20日







  ミョウガガイの一種。(沈木付着)

  極微細な種。

  採取深度:340m
  採取日:2016年10月27日





  フジツボの一種。(沈木付着)

  極微細な種。

  上記ミョウガガイと同じ沈木、数カ所に散在して
  付着していましたが大きい個体でも殻径1mm程
  度。このスケールのミョウガガイ、およびフジツ
  ボ種の記載はないのではと思います。

  採取深度:340m
  採取日:2016年10月27日




  硬質角状を持つ軟質生物。(沈木付着)

  軟質体の上部より貝のような質感をした硬質角状
  が伸びています。動作は確認出来ませんでした。

  (写真左は上部、写真右は側面)





  同じ沈木に3個体付着していました。上記の個体
  より小さい個体サイズ2個体。このことから生物体
  として発生、および成長するものと言えます。硬質
  角状の方が生物本体でしょうか。いずれにしても
  一般的な生物形態の常識を越えているように思い
  ます。

  採取深度:380m
  採取日:2016年11月1日



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  当ホームページ、月検索数(重複なし)は200~300件
  ほど、以前は研究者よりのお問い合わせが主でしたが
  最近は、小学生がお気に入りにて、親子で閲覧とのご連
  絡を多く受けます。また、夏休みの自由研究にて標本製
  品を発表とのお便りも頂戴いたします。とても嬉しいこと
  です。生物体比較(大きさ、数量、形態)を意識出来るよ
  うにホームページを制作しています。自然科学を学習す
  る上でこの3つは大切と考えています。写真多く、分かり
  やすい説明、努力いたします。
  。。。不思議な深海生物 ”ゲットだよ!”

  小、中、高校生が筆頭執筆者となる研究発表、および
  教員による教育活動(授業、クラブ活動)につきましては、
  当ホームページ内のすべての写真、記載事項は許可な
  く、複写、転用にてご利用くださいまして結構です。但し、
  記載内容につきましては仮説、および個人的見解による
  ものを多く含みますことご理解下さい。
  洞窟に描かれた壁画にも遠くおよびませんが何かの参考
  となりましたら幸いに思います。

  幼児でも興味を持つようでしたら親子で閲覧下さい。
  私ごとですが、生物類は3歳で興味を持ち図鑑4種類、
  (魚類、昆虫、動物、植物)購入し読みました。今も大切
  にしています。
深海の存在はそのときに知りました。
  上野にパンダが来て白黒テレビで満足した頃のことです。

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  ハブタエルリガイの空殻。

(拡大)

  泥質堆積物とともに採取されたものです。上記と同種の
  生物種が付着しています。2例目の採取となりました。
  ごく微細ですが強固に付着しています。

  採取深度:430m
  採取日:2019年11月9日




  環形動物類の巣穴縁辺に付着した堆積物。

  筒状に堆積物が付着した状態で採取されました。中心
  には極小さい穴があいています。ゴカイのような生物が
  中にいるようですが詳細は確認出来ません。軟質であ
  る海底で巣穴を維持するため周囲の堆積物を固めてい
  るようです。深海底の堆積状態が詳細に確認出来ます。
  茶色い円盤状のものは有孔虫の骨格、4cmメモリ地点
  には白い別種の有孔虫の骨格が確認出来ます。その他、
  貝片もあります。人為的にこのような精度で深海底
  堆積物を採取することは不可能と思います。深海領域で
  の堆積速度は1mm~20mm/1000年とされていま
  すからこのコア底部は平均値で8000年前に形成され
  たものとなります。観察すると4cmメモリ地点を境に
  円盤状有孔虫骨格の堆積密度が異なることが分かります。
  この境界線時代に何があったのでしょうか。
  自然における人類文明の長さはゴカイの巣穴の長さに
  も満たないのでしょう。そして、この堆積物には人類が
  存在した痕跡はありません。しかし、最上部~2mmメ
  モリ地点。生物痕跡が希薄ではないでしょうか。もし、
  これが人類文明による環境破壊の痕跡とすれば大変な
  負の遺産であると思います。

  採取深度:430m
  採取日:2016年5月15日







  イシサンゴ目センスガイ科に出現する割れ現象。

  稀に採取されるセンスガイ科の単体サンゴ種ですが
  同時に2個体の採取となりました。2個体とも割れて
  います。以前にも同様状態の個体を採取しましたが
  割れているため欠損として疑問視せずに海へ戻しま
  した。しかし、今回は気付きました。この単体サンゴ
  の強度は極めて強いものです。石のようです。それが
  中心底部から外的な力が加わったような割れ方をし
  ています。しかも繊細な周辺部には破損がありません。
  サンゴは生きており、一部再生も見られます。どのよ
  うな原因にてこのような状態となったのでしょうか。
  周辺部にまったく影響せず、破損なく割ることは力学
  的に不可能のように思います。今後採集を継続し原
  因を特定したいです。

  採取深度:460m
  採取日:2016年11月17日





  骨格標本として割れ部分を精査すると骨格の再生中と
  思われる形状が確認出来ます。(底部裏面)

  撮影日:2017年8月18日







  (部位拡大)


  不明生物片 ~ その1 ~
  (深度430m付近から揚がったゼラチン質生物片)

  記録後、海へ戻しました。

  採取日:2016年2月6日

  研究機関よりサルパ科に属する群体ではないかとの
  見解を頂きました。









  不明生物片 ~ その2 ~
  (切り離し可能なビニール質感生物片)

  わずかに海底堆積物が固形付着しているため底生であ
  ることが推測出来ます。袋状の中には白い半液体粒状
  が数個含まれています。一部の袋状には穴があいてお
  り、粒状が抜け出た痕跡があります。

  採取深度:430m
  採取日:2016年5月15日




  沈木付着にて採取となりました。

  採取深度:360m
  採取日:2017年2月8日




  不明生物片 ~ その3 ~
  (水風船状生物片)

  泥質堆積物とともに採集されました。不規則な風船状
  で中には透明な液体が密封にて入っています。器官等
  は確認出来ません。

  採取深度:380m
  採取日:2016年4月23日





  不明生物片 ~ その4 ~
  (泥風船状生物片)

  泥質堆積物とともに採集されました。不規則な紡錘
  形で強固な膜にて風船構造をしています。中には褐
  色の液体が密封にて入っています。器官等は確認出
  来ません。

  採取深度:380m
  採取日:2016年9月15日





  不明生物片 ~ その5 ~
  (グミ質感生物片)

  グミの袋に入っていましたら、多分食べると思います。
  ヤギ類の根の下側に付着しています。内部にエメラル
  ドグリーンをした塊状が確認出来ます。
表面に同種と
  思われる刺胞動物類が2個体付着していますが、この
  種につきましても初めて確認しました。

  採取深度:360m
  採取日:2016年9月11日





  不明生物片 ~ その6、その7 ~

  ヤギ類の枝に付着しています。左側の生物片はゴム
  質感で上部に孔があり、排泄物と思われる泥状物を
  露出しています。右側の赤色球形の生物片は弾力が
  あり同様にゴム質感です。

  採取深度:420m
  採取日:2017年2月22日







  不明生物片 ~ その8 ~
  (寒天質感生物片)

  寒天質感としましたがかなり固いものです。重量があり
  底生であると推測されます。内部に赤色粒状があり表面
  に近いものは透けて確認出来ます。表面を切開して数個
  取り出して見ましたが器官等は確認出来ません。
  (記録後、海へ戻しました。)

  採取深度:430m
  採取日:2017年3月19日


  上記不明生物片類は他の惑星に存在するかも知れない
  生命体への想像を豊かにします。また、そう遠くない
  時代、人類が他の惑星へ旅立つときに有用な生物資源
  となるものと考えます。私個人的には、このような生
  物類に生命の根源のような極めて崇高な存在を感じま
  す。


  ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

  御礼

  深海底引き網船乗船による調査採集活動は13年目を
  迎え乗船回数は200回を越えました。同様の継続調
  査採集活動は国内では、これまでに研究機関でも実施
  された記録はなく、単独活動での深海領域到達による
  生物、堆積物学術調査、標本制作、および標本製品点
  数についても前例がありません。世界的にも初めての
  深海領域調査活動と思います。これまでの活動実績は
  多くの方々のご支援によるものであります。心より御
  礼申し上げます。まだ見ぬ未知生物種、未到達地点、
  地学等々、調査は途中段階にて行なうべきことは多く
  残されています。乗船は漁業活動を行う10トンほど
  の底引き網船、強風、高波、船大揺れにて、時には心
  折れそうになることもあります。わずかずつ遠回りで
  も観察を精度良く積み上げて行けば自然の本質にたど
  り着くことが出来ると考えています。懸命に努力いた
  します。今後ともご支援のほど何卒、よろしくお願い
  申し上げます。

  「自然科学に境界線はあるが、自然界に境界線なし。
   すべては平らに存在して不要なものなし。」

  2024年
  田崎 義勝

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