深海調査基地 戸田港 / 静岡県沼津市

  駿河湾で北緯35度以南の深海領域を調査するときは、戸田港より出港します。



  戸田港。夕映えの丘からの景色、絶景です。

 




  港近くの住宅地、普通にイノシシ(大型)が飼われていました。こちらを見ています。↑
  最初は大きなイヌ類の生物かと思いました。極危険、これ以上近づいてはいけません。
  右端の木はみかんです。冬でも温暖な伊豆では春先まで実ります。

  撮影日:2012年3月28日




  港に咲く河津桜。

  東伊豆の河津町由来の早咲き桜で毎年1月下旬には開花します。

  撮影日:2024年2月3日




  底引き網の網干場の横を流れる小川にホタルもいます。




  御浜(みはま)を望む港の景色。 御浜には深海生物館があり戸田で採取された深海
  生物の標本が多数展示されています。調査採集活動につきまして多大な支援、協力
  を頂いています。






  深海生物館内の展示。貴重な生物種が保管されています。戸田地区の歴史、資料の
  展示も多くなされています。








  スタートゥヤ イェポナ・サヴェトスカイ ドゥルージブィ / 日ソ友情の彫像






  エクアドル海軍によりだ捕。思いがけずガラパゴス諸島へ上陸となった中島史郎氏。
  だ捕は他船との誤認であったとのこと。現地はスペイン語のため意思疎通が困難で
  あったことなど遠洋漁業の貴重なお話を伺いました。




  こちらは中島氏が最近収集した戸田沖(深度約10m)の浅海性サンゴ類。テーブル
  サンゴもあります。四国沖が本来の北限とされています。2011年10月、国立環
  境研究所の調査により西伊豆町田子地区沖にてテーブルサンゴ群集の存在が報告され
  ています。更に緯度の高い戸田沖はテーブルサンゴ生息北限でしょうか。戸田沖テー
  ブルサンゴについては学会未報告のようです。中島氏は「テーブルサンゴもあるよ。」
  と言われていました。大発見ではないでしょうか。サンゴの「北上現象」、地球温暖
  化の影響が考えられるとのことです。(2015年10月31日撮影)





  御浜に立つ灯台。遠くに御前崎、焼津港、清水港が見えます。



  釣りを楽しむ人がいます。夜は投げ釣りでタチウオが釣れます。





  港に新設された展示施設に。。。深海生物学術標本製品!!私が知らぬ間に展示
  されていました。とてもとても嬉しく、ありがたいことです。

  戸田漁業協同組合展示施設 / 常設展示




  港周辺、複雑な地形です。海岸まで山がせまり一気に海へ落ち込んでいます。海底地形図を
  見ると上写真の岬はこのままの急斜面で深度1000mまで落ち込んでいます。港の沖は谷
  となっており”Heda Canyon”ヘダキャニオンと表記されています。およそ500m当たり
  100m落ち込んでいます。5Km沖に出れば1000 mの深海です。この谷に沿って様々
  な深海生物が岸近くまで上がって来ると言われています。リュウグウノツカイの稚魚を岸壁
  で獲り家で飼っていたと言う話も聞きます。また、タカアシガニの小さい個体を見かけるこ
  ともあります。



 フィリピン海プレート陸地先端部

 岩盤傾斜:17°(2016年3月29日撮影)

  地表に露出した断片的な岩盤ですので現時点の変動方向は特定できません。しかし駿河ト
  ラフはフィリピン海プレートがユーラシアプレートの下へ沈み込む逆断層型であるためこ
  の岩盤の傾きは興味深いものです。

  戸田地区、および駿河湾周辺は深海領域の研究、地質学、歴史文化含め、学術的に極めて
  重要で貴重な地域です。




  御前崎に沈む夕陽(夕映えの丘)


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