軟体動物類の樹脂封入標本

  深海生物の中でクラゲやナマコ等、刺胞動物、棘皮動物およびタコ、イカなどの軟体動物類
  に属する生物種は大変多く、多様に存在します。これら生物類は水分を体内および体表面に
  多く含むため樹脂封入標本として作成するには、極めて高度な技術を要します。技術開発に
  際して外部研究機関、専門家の方々より多大な協力を頂きました。


  

  クラゲ類の樹脂封入保存試験。




 ※写真のメンダコは撮影前日に漁業副産物として水揚げされた冷蔵状態のものです。

 サンプリング個体提供 / 沼津港深海水族館


 メンダコの樹脂封入標本製品開発


 ゴマフイカ



  ゴマフイカの蛍光タンパク質分布。

  冷蔵状態の個体に短波長を照射すると蛍光反応を示しました。体表面の発光器は
  赤色、眼は左右で緑色、青色と反応色の違いが確認できました。
これはゴマフイ
  カの眼は左右で機能が異なることを示唆するものです。例えば左右で色彩識別能
  力が異なるなどが考えられます。左右で異なる特定波長の光を認識することによ
  り効率的に視力を向上させたのかも知れません。更にギンオビイカ、ヤワラボウ
  ズイカ、コウイカ、ユウレイイカ、ツノモチダコで同様の試験を行ないましたが
  体表面、および眼の蛍光は確認できませんでした。これはゴマフイカの眼はこれ
  らの種にはない機能を獲得していることを示唆するものです。
  。。。これまでに左右で眼の機能が異なる生物種は確認されているでしょうか?
  他種にはない眼の機能とはどのようなものでしょうか?
  3色の蛍光タンパク質を併せ持つ生物種は他に存在するでしょうか?

  記載日:2024年3月27日


     【標本製品開発の日々、失敗の連続】の巻

     「それは不可能。(少し笑)」

        − 権威ある研究者より −

     「・・・ ・・・。」

      ありがとうございます。
      理科魂に火がつきました。
                  。。。つづく




  ウミケムシの一種 / 個人所蔵

  可視光透過により内部器官構造が確認できます。

  (技術協力)
  新江ノ島水族館
  沼津港深海水族館

  ※製品開発に際し生体は使用していません。


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